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今回は進退きわまったかに見える状況を打破し、運命を切り開く登場人物の姿から「幸せになる方法」を学べるおすすめ映画10選をご紹介します。
目次
アバウト・タイム～愛おしい時間について～【2013年】
あらすじ
英国の青年ティム（ドーナル・グリーソン）は、一族の男子のみが持つタイムトラベルの能力を使って、自分の恋や家族のために奮闘します。しかし大切な父（ビル・ナイ）が余命わずかと知った時、特殊能力を使っても避けられない運命があることを知るのです。そんなティムに対し、父は"幸せになる秘密の方法"をそっと教えてくれるのでした。
見どころ
特に強く心を打つのは、ティムの結婚式が嵐で散々だった時の妻メアリー（レイチェル・マクアダムス）の言葉。彼女は「私たちの人生も同じ、いろんな天気があるわ。楽しみましょう」と微笑むのです。当たり前の1日をどう過ごせばいいのか、何気ない平凡な日常がどんなに大切か、そんなことに気づかせてくれる映画です。
はじまりのうた【2013年】
あらすじ
失意のシンガーソングライター、グレタ（キーラ・ナイトレイ）は、音楽プロデューサーのダン（マーク・ラファロ）にその才能を見出されます。お金もなければ機材もない、スタジオも借りられないといった状況。しかし2人は足踏みせず、ニューヨークの街角をスタジオに見立て、子どもの声や車の音、雨音などを音楽の一部として使いながらデモCDを作製していきます。
見どころ
グレタ同様、実はダンも人生に躓いていましたが、2人は音楽を通じて徐々に生きる力を取り戻していくのです。劇中でダンはグレタに、「音楽は魔法だ。平凡な風景が意味のあるものに変わり、つまらない景色が美しく光り輝く真珠に変わる」と語りかけます。使われている歌曲も秀逸で、音楽の持つ力を再認識できる映画です。わずか5館の上映からスタートし、その後口コミで全米へと広まり1300館で拡大上映されました。
オール・ユー・ニード・イズ・キル【2014年】
あらすじ
宇宙からの謎の侵略者と戦うケイジ少佐（トム・クルーズ）は、戦闘で死ぬ度に同じ日を延々と繰り返すという不思議なタイムループ現象に陥ります。同じ出来事を繰り返す中で成長していくケイジは、ループ現象で蓄えた経験と知識を使い地球を救うべく反撃に出るのです。
見どころ
臆病で情けないほど弱かったケイジは、失敗を恐れないと決めてから劇的に強くなっていきます。恐怖を撥ね退けて頼もしくなっていくケイジの姿に、何度でもやり直す勇気をもらえる映画です。この映画は日本のライトノベルが原作にもかかわらず、ハリウッドのSF超大作として実写化されたことで大きな話題となりました。テンポがよくCGにも見応えがあり、SFアクション映画としての評価も高い作品です。
マイ・インターン【2015年】
あらすじ
ニューヨークでファッションサイトの社長をしているジュールズ（アン・ハサウェイ）は、仕事も家庭も充実しているキャリアウーマン。しかし予期せぬ困難が彼女の前に立ちはだかります。そんなジュールズを助けたのは、シニア研修生として会社に来ていたベン（ロバート・デ・ニーロ）でした。
見どころ
研修生のベンはジュールが懸命に日々を過ごしている姿を陰ながら見ていました。「彼女は頑張る人だ。幸せになって欲しい」そう願うベンは、彼女を気遣い助け始めます。たとえ些細なことでも一生懸命にやっていれば、誰かが見ていて応援してくれるかもしれないと信じさせてくれる映画です。「正しいことは迷わず行う」「行動あるのみ」など、ベンのまっすぐで芯のある台詞は胸に響きます。
エリン・ブロコビッチ【2000年】
あらすじ
エリン（ジュリア・ロバーツ）はシングルマザー。ある日、生活のために事務として働いていた法律事務所で、巨大企業のプロジェクトによる環境汚染で苦しむ人々の存在を知ります。法律に関して何の経験もスキルもないエリンでしたが、自分を信頼してくれる人たちのために、持ち前のガッツで巨大企業に挑んでいくのでした。
見どころ
実話がもとになった作品です。訴訟では、最終的にPG＆E社がアメリカ史上最高額の損害賠償金3億3000万ドル（400億円）を原告団に支払うことになりました。法律のことなど何も知らないエリンでしたが住民を思う気持ちだけは誰にも負けず、本職の弁護士顔負けの存在感で巨大企業との無謀な裁判を勝訴へ導いたのです。エリンのガッツと情熱は、彼女自身のみならず、たくさんの人々の運命を切り開いていきました。
下妻物語【2004年】
あらすじ
舞台は茨城県の下妻、ロリータが大好きな竜ケ崎桃子（深田恭子）は、マイペースで友達を作らない孤高の高校生。そんな桃子の前に、妙に人なつっこい暴走族の白百合イチゴ（土屋アンナ）が現れます。好みも外見も性格までも、全く違う2人でしたが、いつしか深い友情が芽生えていくのでした。
見どころ
桃子もイチゴも、どんな時でも自分らしさを大切にしています。全てが対照的で個性的な2人ですが、お互いの違いさえ大切にし合い、ありのままの姿でいられる素敵な関係でした。この映画は2006年にカンヌ国際映画祭と並行して行われたカンヌJr.フェスティバルで邦画初のグランプリを受賞し、主役の2人も数々の賞に輝いています。心の底から楽しめる青春映画で、爽快さは抜群。色彩豊かな映像美も見どころの一つです。
アバウト・ア・ボーイ【2002年】
あらすじ
ロンドンに住む38歳のウィル（ヒュー・グラント）は、定職にも就かずに父の遺産で悠々、自堕落な生活を送っていました。そんなある日、鬱病の母親と2人で暮らしている12歳の少年マーカス（ニコラス・ホルト）と出会います。大きく年を隔てたマーカスとの交流で、ウィルは自分の人生が空虚だったことに気づいていくのです。
見どころ
ウィルは面倒ごとからすぐに逃げ出す、ことなかれ主義。一方マーカスは学校でのいじめに耐えながらも、家では鬱の母を支えようとする優しい子どもでした。マーカスと触れ合う内に、ウィルは自分が空っぽな人間だと気づくのです。そしてウィルが逃げることをやめたとき、彼の人生は変わるのでした。ストレス過多の社会に生きていると、何もかも投げ出したくなる時もありますが、そんな瞬間に一歩踏み出すことで素敵な明日が来るのだと教えてくれる映画です。
阪急電車 ～片道15分の奇跡～【2011年】
あらすじ
実在する片道15分のローカル電車、今津線を舞台にした群像劇です。たまたま乗り合わせただけの人と交わす会話、聞こえてくる話、目にした光景…細やかな出来事から勇気を貰い、癒されていく人々。車内での小さな奇跡に背中を押された彼らは、少しずつ辛さや悩みを乗り越えて前に進み始めるのでした。
見どころ
有川浩のベストセラー小説が原作のヒューマンドラマ映画です。たった8駅しかないローカル線の車内で起こる数分間の出来事がそれぞれの人生を変えるきっかけとなっていく情景は、爽快でありながらじんわり胸を温めてくれます。少し気分が落ち込んだ時は、部屋から出てみるのはどうでしょう。私たちの傍にも小さな奇跡があるかもしれません。
ヘルプ～心がつなぐストーリー～【2011年】
あらすじ
1960年代のミシシッピ州。ジャーナリスト志望のスキーター（エマ・ストーン）は、世間で黙認されている黒人メイドへの差別行為に憤りを感じていました。黒人メイドの言葉を取材しようと決意したスキーターはメイドたちのもとを訪れますが、彼女たちは堅く口を閉ざし、実態を話そうとしません。そんな中で、ミニー（オクタヴィア・スペンサー）という一人のメイドが勇気を出して語り始めたのです。
見どころ
まだ人種差別が色濃く残る時代。メイドが差別の実態を訴えることは、失業につながる恐ろしい行為でした。しかしミニーが言葉に出して伝え始めたことで、やがて世論は変わっていきます。皆が差別の実情を流布するために立ち上がり、後にそれが書籍としてまとめられたことで、社会が揺れ始めたのでした。全米の映画賞を総なめにした感動の実話であり、口に出して訴えることの大切さを教えてくれる映画です。
素晴らしきかな、人生【2016年】
あらすじ
マンハッタンに住むハワード（ウィル・スミス）は、最愛の娘を亡くした悲しみから立ち直れずに苦しんでいました。そんな彼を見かねた友人たちは、3人の俳優を彼のもとに送りこみます。俳優たちは各々、“愛” “時間” “死”を具現化した存在としてハワードの前に現れ、語り出すのでした。
見どころ
友人たちもそれぞれが問題を抱えていますが、ハワードを助けるために働くことで自らも救われていきます。“愛” “時間” “死”は普遍的に人々をつなげる要素であり、避けては通れないもの。その3つを乗り越え、立ち直った先には“幸せのおまけ”（贈り物）がありました。ハワードが失意から脱した先に見る景色がどのようなものか、ぜひご覧ください。
最後に
今回ご紹介した映画の登場人物たちは、決してスーパーヒーローではありません。問題を抱えていたり、人生に迷っていたりと、大なり小なり悩んでいる人々でした。だからこそ彼らが苦悩の果てに築き上げる物語は「幸せになる方法」を教えてくれるのです。今回ご紹介した作品が、あなたが幸せを掴むきっかけとなることを願っています。
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