ドラマ『プリティ・リトル・ライヤーズ(2010〜2017年)』のエミリー役でおなじみ、女優のシェイ・ミッチェルも「夜通し観てしまったわ!」とInstagramにアップするほどの中毒ぶり。セレブにもイッキ見させてしまうほどの面白さとはいったい何なのか?本作のポイントを5つご紹介します。
目次
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』作品概要
あらすじ
裕福な家庭で育ったお嬢様パイパー(テイラー・シリング)は、10年前に犯してしまった罪のため刑務所に収監されることに。世間知らずな彼女は「刑務所の食事がまずい」と発言してしまい、料理担当の古株レッド(ケイト・マルグルー)の機嫌を損ね食事にありつけなくなってしまいます。
さらには罪を犯すきっかけになった、元恋人のアレックス(ローラ・プレポン)も同じ刑務所に収監されていることを知り動揺してしまうのです。絶体絶命ともいえる状態に陥ったパイパーですが、持ち前のポジティブさと腹黒さを生かし、クレイジーな受刑者たちに囲まれた世界で、たくましくサバイブしていくのでした。
見どころ
お嬢様育ちの主人公パイパーが、トイレにはドアがない、シャワーを浴びるにも裸足では危険という不自由な刑務所の暮らしに驚きつつも、なんとか順応しようと努力する姿をコミカルに描いています。その上、刑務所の人口過多問題や、人種差別、看守のセクハラ、麻薬取引など、ちょっとお堅い社会問題もさらっと取り入れていて、次に何が起こるのか予測のつかない展開にハマる人が続出です。 Netflixでは、2013年のスタートから現在までシーズン5まで配信されおり、2年先のシーズン7まですでに製作が決定している大ヒットドラマです。
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』が面白い理由①
原作がある実話ベースの話である
— Piper Kerman (@PiperKerman_) 2016年2月19日
パイパー・カーマン公式Twitterアカウント(@PiperKerman)より
ドラマの主人公パイパーのモデルは、ドラマの原作本の著者パイパー・カーマンさん。過去に犯した麻薬取引とマネーロンダリングの罪で、コネチカット州の刑務所に13か月収監された経験を綴った回顧録「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女性刑務所での日々」がベストセラーとなりドラマ化されました。ドラマ用に脚色はしているものの、実話をベースに作られているのでエピソードに説得力があり、軽犯罪刑務所の実像を浮き彫りにしたスリリングなストーリーになっています。
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』が面白い理由②
女子刑務所の生活をのぞき見しているようなドキドキ感
オレンジ・イズ・ニュー・ブラック公式Instagramアカウント(@orange.is.the.new.black)より
パイパーはニューヨーク郊外にある刑務所に収監されます。出頭してから身体検査を受け、新人受刑者として収監され、房の中ではどう振舞えばいいかを教えられていくという一連の流れは、刑務所に実際に収監された人でなければ知りえない情報ばかりで興味深いです。
受刑者は、料理担当、掃除係、図書室係、洗濯担当、作業担当など仕事を振り分けられており、担当を持てば少ないながらもお給料をもらえます。しかし収監者の数が多くて人口過多のため、全員に仕事が与えられない状況に。そのため何もすることがない暇な受刑者も多く、余計ないざこざが起こる原因となってしまうのです。また女性だけという環境のため、レズビアンでない人でも保身のために女性の恋人になったりするので、あちこちで受刑者同士の恋愛問題が勃発してしまいます。
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』が面白い理由③
刑務所内の人種による派閥争いがコメディタッチで描かれている
オレンジ・イズ・ニュー・ブラック公式Instagramアカウント(@orange.is.the.new.black)より
刑務所の収監者たちは自分の身を守るために、人種によってグループを作り仲間意識を持ってお互いを守っていきます。白人のボスはロシア系のレッド、黒人のリーダーは元気印のテイスティ(ダニエル・ブルックス)、ヒスパニック系のボスはメンドーサ(セレニス・レイバ)で、娯楽室でTVを見るのも「今は黒人の時間だから白人は出ていけ」などと、数の力と交渉力で自分たちの権利を勝ち取っていかなければなりません。
この人種差別とグループ間の争いを描くストーリー構築術は、他のドラマに類を見ないほどハイクオリティです。刑務所の外のアメリカの社会情勢を反映していて、お堅く語られるのではなくコメディとして爆笑しながら見ているうちに、白人が黒人をどう見ているのかを理解できてしまいます。
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』が面白い理由④
刑務所を管理する側の職員たちにも問題がある
オレンジ・イズ・ニュー・ブラック公式Instagramアカウント(@orange.is.the.new.black)より
女子刑務所を管理している職員たちが問題ある人物ばかりで、時には囚人よりも酷いことを仕出かしています。カウンセラーのヒーリー(マイケル・J・ハーリー)は、自分は有能だと信じて疑わないのに受刑者には人気がない。所長代理のカプート(ニック・サンドウ)は、受刑者の話にきちんと耳を傾ける素質は持っているけど危ない性癖がある。看守のメンデス(パブロ・シュレイバー)は、囚人たちにセクハラを繰り返す変質者。新人看守のベネット(マット・マクゴーリ)は、囚人の1人と恋愛関係になって窮地に追い込まれてしまいます。
正義であるはずの刑務所の職員たちも異常と言えるほど問題があり、一体どっちが刑務所に入るべき人間なのか分からなくなるような場面も多々見受けらます。
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』が面白い理由⑤
個性的な受刑者たちそれぞれにバックストーリーがある
オレンジ・イズ・ニュー・ブラック公式Instagramアカウント(@orange.is.the.new.black)より
看守の嫌がらせに耐えながらも、日々、刑務所で過ごす女子受刑者たちがとにかくエネルギッシュ!ミッキー・マウスのような髪型で陽気なシンディ(エイドリエン・C・ムーア)は、ノリノリのラップで会話をする刑務所のムードメーカー。図書係のプッセイ(サミラ・ワイリー)は、人種に関係なく誰からも愛される小柄で物静かな女性。刑務所内で美容師をしているバーセット(ラヴァーン・コックス)は、元男のトランスジェンダー。
個性的な受刑者たちが、どんな罪を犯して収監されたのかを描く過去のエピソードがフラッシュバックで明かされていきます。好きなキャラクターの過去が意外に悲しいものだったり、意外性があるストーリーに飽きることがありません。
最後に
タイトルの『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』とは、日本語に訳すと「オレンジが流行の色」という意味。どんな立派な経歴があろうとも、刑務所に入れば誰でも同じオレンジの囚人服を着なければなりません。刑務所の中では、常にオレンジが流行しているようなもの。
自由を奪われた受刑者たちは、生き残り無事に刑務所を出ることができるのか…。底抜けに明るく、時にはしんみりと女性受刑者の生活をコメディとして描いているのが面白いドラマです。笑いに飢えている人、ストレス解消したい人におすすめします。
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