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C.ノーラン最新作『ダンケルク』は戦争映画の常識を覆す!みどころを紹介

『ダークナイト(2008年)』、『インセプション(2010年)』、『インターステラー(2014年)』など、数々のヒット作を世に放っている天才クリストファー・ノーラン監督。監督が初めて実話をもとに作ったのが、戦争をテーマにした映画『ダンケルク』です。

IMAXカメラを駆使した映像と、戦闘機の音は本物を使用するなどのこだわりで、観ている側もまるでスクリーンの中にいるような緊迫感と臨場感を体感できる作品です。

『ダンケルク』あらすじ

ダンケルク映画公式Instagramアカウント(@dunkirkmovie)より

1940年、第二次世界大戦の真っただ中。ドイツ軍に攻め込まれたイギリス・フランス連合軍は、ドーバー海峡にのぞむ港湾の町ダンケルクへと追い詰められる。

取り残された兵士を撤退させようとするが、戦闘機の容赦ない攻撃により、兵士もろとも駆逐艦は沈没。若き兵士たちは己の生存を懸け、ダンケルクからの脱出を試みる。

しかし、ドイツ軍の猛攻は止まらず、すぐそこに見えるイギリス本土へはなかなか届かない。そこで民間の遊覧船にて救助に向かう「ダイナモ作戦」を決行することに。果たして、作戦は成功するのか。取り残された40万人の兵士たちの運命は――。

そもそもダンケルクとは何ぞやと思った方もいると思います。

第二次世界大戦は、ドイツ軍がポーランドに侵攻したことで勃発。そこへイギリスとフランスが参戦し、戦火は広がっていきます。しかし、イギリス・フランスの連合軍である約40万人の兵士がドイツ軍によって追い詰められ、たどり着いた先がフランスの海沿いの街「ダンケルク」だったのです。そこからの脱出劇を、史実に基づき制作されたのが本作『ダンケルク』です。



『ダンケルク』はIMAXシアターでの鑑賞がおすすめ

ダンケルク映画公式Instagramアカウント(@dunkirkmovie)より

日本でも怒涛の勢いにより公開2日で興行収入3億円、観客動員数22万人を突破し、全世界で興行収入5億ドルをたたき出しました。(2017年9月15日時点)
テレビや雑誌でも多く取り上げられ、TwitterやInstagramなどのSNSでも絶賛の嵐となっています。

まず言いたいのは、IMAXシアターで鑑賞しないと絶対に後悔するということ。『ダンケルク』は世界最高峰の解像度を誇るIMAX®2Dフィルム・カメラで撮影されています。もちろん、迫力のある戦闘機の空中飛行もこのカメラで撮影しています。

このため、通常のスクリーンに投影すると、上下約40%がカットされてしまい、非常にもったいないのです。IMAXは音響も格別なので、ぜひ遠出してでもIMAXスクリーンでの鑑賞をおすすめします。

監督がこだわった『ダンケルク』のキャストたち

主役は、元・皿洗いの無名の新人

ダンケルク映画公式Instagramアカウント(@dunkirkmovie)より

『ダンケルク』のキャストは、監督のクリストファー・ノーランが「若い兵士役は30代の俳優に演じさせるわけにはいかない」との意向を示したため、数千人に及ぶ若者の中でオーディションが行われました。

その中で見事トミー役を射止めたのがフィオン・ホワイトヘッド。彼は数年前まで皿洗いのアルバイトをしていたという、無名俳優。本作でトミーは、死に物狂いでダンケルクからの脱出を強行。「生き抜く」という強い気持ちが画面からも感じることができ、フィオン自身の演技力を遺憾なく発揮しています。

UKの国民的アイドルも出演

ダンケルク映画公式Instagramアカウント(@dunkirkmovie)より

そして高地連隊の二等兵で、トミーと共に脱出を試みる仲間の一人であるアレックス役にハリー・スタイルズ。言わずと知れた大人気グループ、ワン・ダイレクションのメンバー。今作が映画初出演となるハリーですが、ノーランも認めるそのカリスマ性で、役者としても申し分なく圧倒的な存在感を放っています。

『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード(2017年)』の主演俳優

ダンケルク映画公式Instagramアカウント(@dunkirkmovie)より

もう1人忘れてはいけないのが、無口な兵士ギブソン役のアナイリン・バーナード。憂いをおびた瞳が美しい彼も、メジャーな作品への出演は初です。とにかく無口でセリフがほぼない役どころですが、視線や表情で死への恐怖を完璧に演じきっています。すでに次作『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』の公開も12月に決定しており、これからブレイク間違いなしでしょう。

『ダンケルク』のみどころ

ダンケルク映画公式Instagramアカウント(@dunkirkmovie)より

IMAXカメラを駆使した臨場感あふれる映像

見どころは何よりもまずノーラン監督の、作品に対する並々ならぬこだわりでしょう。CGにあまり頼らず、ただひたすらに臨場感を追求。それを証明するかのように、砂浜にいる何十万人という兵士はCGではなく厚紙で作成されています。

そして1番の驚きは、激しい空中戦を繰り広げている戦闘機が、すべて実写というところ。リアルなエンジンやプロペラの回る音など、戦闘機の発する音もすべて本物から録音しています。それがこの映画のピリピリとした緊張感とリアリティを生み出し、まるで実際にその場にいるような錯覚を覚えさせるのです。

観客の緊張感を持続するため、尺は106分

さらに上映時間にもこだわりが。ノーランといえば、インターステラーやダークナイトなど数々のヒット作がありますが、それらの上映時間は2時間を超えるものばかりです。しかし『ダンケルク』は、ノーランにとっては短めの1時間46分という上演時間となっています。それゆえ、テンポよくストーリーが進んでいき、絶体絶命の戦中体験をよりスリリングに描いています。

戦争映画だけど流血シーンがない

戦争映画ですが、敵兵であるドイツ軍自体はあまり画面に出てきません。血が流れる描写もないので、殺し合いをするような戦争映画は苦手だという方にも1度観て欲しい作品になっています。『ダンケルク』は敵と戦う映画ではなく、必死に戦場を生き抜く映画なのです。

目頭が熱くなる!『ダンケルク』が訴える「生きる」という気持ち

ダンケルク映画公式Instagramアカウント(@dunkirkmovie)より

ドーバー海峡がイギリス本土との間にあり、長く続く砂浜は遠浅で大型船は近寄れないという絶体絶命の戦況。人間が「生き抜く」ことに、無我夢中で突っ走る姿は「なんとしても生きて欲しい」と、エールを送らざるを得ません。

逃げ場のない絶望の中、取り残された兵士たちは必至に生きようともがきます。その兵士たちを助けようと、命がけで自分たちの船に乗り戦地へ赴く父子。そしてスピリットファイアのパイロットたち。皆が「生きる」という強い気持ちを胸に、それぞれの行動を起こしている。その熱い心情に、心を揺さぶられることでしょう。