今回は、そんな1990年代の懐かしい映画作品の中から、おすすめの洋画15作品をご紹介します。あの時代を偲びながら、観てはいかがでしょうか。
目次
ブレイブハート【1995年】
あらすじ
エドワード8世(パトリック・マクグーハン)の発動した「初夜権」によりウォレス(メル・ギブソン)の妻はイングランド方に拉致され、殺されてしまいます。それに憤ったウォレスは、仲間たちを糾合してイングランドへの独立戦争を開始。ウォレスの巧みな戦術と、一癖あるものの頼りがいある仲間たちの活躍により、ウォレスは悲願であった旧都エディンバラを奪還することに成功。その後に待ち受けていたものは...。
見どころ
メル・ギブソン監督主演。アカデミー賞作品賞含む5部門を受賞した話題作です。13世紀末舞台はスコットランド、メル・ギブソン演じる一青年ウィリアム・ウォレスが圧政下にあった祖国を解放に向けて大国イングランドに挑んでゆく一大叙事詩。ウォレスが振り絞る最後の一言に絶句する人も多いでしょう。
また、出てくる軍隊は本物のアイルランド兵。このような本格的な描写や臨場感や、スケールの大きさが魅力的な90年代の外せない名作の一つです。
フォレスト・ガンプ/一期一会【1994年】
あらすじ
学習障害を持ちながらも、なんとか小学校への入学を果たしたフォレスト(トム・ハンクス)。登校初日に乗ったスクールバスでは、誰もフォレストへ隣の席を譲りません。その中で、ジェニー(ロビン・ライト)だけは彼と向き合い、2人は仲良くなります。次第に彼らは成長し、様々な夢や現実や苦難と遭遇しながら、彼らの思いは少しずつ交錯してゆきます。
見どころ
"愚直"であることの強さと清らかさを思い知らされる涙の大作。全世界では、およそ7億ドルの興行収入を達成しました。主演トム・ハンクスの好演は必見です。
トータルリコール【1990年】
あらすじ
舞台は近未来。建設会社に務めるサラリーマン、クエイド(アーノルド・シュワルツェネッガー)がリコール社の記憶体験サービスを受けるところから物語は始まります。
すると彼の中で眠っていた記憶が覚醒。さらなる真実を求めて火星へと旅立ちます。そこでは資源採掘業者と、それに対抗するミュータントらが激しく交戦していました。やがてクエイドはレジスタンス側の極秘作戦における切り札的存在であったことを告げられ戦いに身を投じていきますが...。
見どころ
アーノルド・シュワルツェネッガー主演で、アカデミー賞も2部門で受賞しているSFアクション大作。複雑に絡み合う伏線、思いがけない方向に進む展開は見所です。クエイドの妻役であるシャロン・ストーンの艶やかな演技とアクションにも注目。
ハムレット【1990年】
あらすじ
中世のデンマーク。王である父の突然の死により憂いに沈む王子ハムレット(ケネス・ブラナー)は城壁に夜な夜な父の幽霊が現れると聞き、自らも確かめようとします。
そこに現れた父から、自分の死はクローディアス(デレク・ジャコビ)による毒殺だと聞かされ、復讐を誓います。ハムレットは、真相を突き止めることに必死になりすぎて、恋人オフィーリア(ケイト・ウィンスレット)を捨て、さらには彼女の父をも殺害してしまいます。
見どころ
原作は言わずと知れた、イギリスが誇る世界的文豪シェイクスピアの代表作。人間の愚かさと哀れさが描かれた、言わずと知れた名作です。
トレインスポッティング【1996年】
あらすじ
1980年代のイギリス。主人公のレントン(ユアン・マクレガー)はスーパーコアな薬物中毒者。何度も警察や裁判所の厄介になりながらも、ずる賢く制度を悪用し、全く改心の余地はありません。
007マニアのシック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)、根はいいやつのスパッド(ユエン・ブレムナー)、喧嘩中毒のベグビー(ロバート・カーライル)、ませすぎな女子高生ダイアン(ケリー・マクドナルド)、たった1人なぜか常識人のトミー(ケヴィン・マクキッド)という怪しげな仲間と繰り広げられるストーリー。
見どころ
『スラムドッグ$ミリオネア(2008年)』のダニー・ボイル監督、ユアン・マクレガー主演。薬中の極めて刺激的な主人公たちによる、どこまでも悲惨でコミカルな物語です。さらに、洗練された80年代チューンのオンパレード、後に有名になったユアン・マクレガーやケリー・マクドナルドの若々しい演技は必見。
ジャンヌ・ダルク【1999年】
あらすじ
15世紀前半、百年戦争下のフランス。百年戦争末期、イギリスにより国土の大半を奪われた劣勢のフランスは彼らの横暴に任せるまま。そこに「神の声を聞いた」という不思議な少女ジャンヌ(ミラ・ジョヴォビッチ)が現れます。ジャンヌは訝しむ王宮を説得し、イギリス軍に包囲されたオルレアンの地に向かい、その絶望的な戦線に身を投じていきます。
見どころ
リュック・ベッソン監督作品、主演は若き日のミラ・ジョボヴィッチ。言わずと知れたフランス救国の英雄、奇跡の聖女ジャンヌ・ダルクを主人公にしたヒューマンドラマ。偉大な戦績と、待ち受ける過酷な運命。その中で人間ジャンヌとはどうあったのか。その真相へと迫ります。
仮面の男【1998年】
あらすじ
17世紀、絶対王政のフランス。後世に太陽王として知られるルイ14世(レオナルド・ディカプリオ)は戦争に明け暮れ、国を深刻に疲弊させるばかり。
そんな中、三銃士のアラミス(ジェレミー・アイアンズ)はダルタニアン(ガブリエル・バーン)や他の三銃士を呼び出し、「ルイを国王の座から引きずり落とすために協力して欲しい」と頼みます。彼らは結束し、謎の監獄に乗り込みに行きますが...。
見どころ
レオナルド・ディカプリオ主演の、鉄仮面伝説を題材にした作品。厳重な監獄につながれた謎の男・鉄仮面と、ダルタニアン、三銃士が助け合い、非道の王ルイ14世と戦う歴史アクション大作です。
シュリ【1999年】
あらすじ
1998年の韓国。北朝鮮、韓国の合同チームによるサッカーの記念すべき国際試合が間もなく予定されていました。そんな折、北朝鮮側の特殊工作員が国境を越えて乱入。次々と凶悪なテロ行為を重ね、やがてターゲットとなったその試合を巡って両陣営の思惑が交錯、衝突してゆきます。
見どころ
カン・ジェギュ監督、ハン・ソッキュ主演。南と北と38度線を挟んで相対する朝鮮半島の両国。同民族でありながら死闘を繰り広げる悲惨さ、そこには彼らを越えて今ある世界中の人間に訴えかけるべき普遍的なものが切ないまでに描き出されています。
韓国では総観客動員621万人を達成し、「韓国の映画界への台頭」を世界に印象付けた作品です。また、主演のハン・ソッキュが渋谷公会堂に舞台挨拶に来て、韓流ブームの火付け役ともなりました。
クール・ランニング【1993年】
あらすじ
そこは常夏のジャマイカ。ソウルオリンピック陸上代表選考会において、本命視されていたデリースは隣のレーンを走っていた選手の転倒の巻き添えになり、思いがけずその夢を絶たれてしまいます。諦めきれないデリース(レオン・ロビンソン)は、近くに元ボブスレー金メダリストが住んでいることを知り、ボブスレーでオリンピック出場をしようと思いつきます。
見どころ
1988年、カルガリー冬季オリンピックでの実話を基にした感動スポーツ・コメディ。どう考えても不可能な夢を、それぞれの個性・努力と厚いチーム・ワークで実現する、笑いあり涙ありの名作です。南国ジャマイカの陽気なリズムにほっこりさせられますが、クライマックスに近づくにつれて緊張感が増していくギャップも楽しめます。
ラスト・オブ・モヒカン【1992年】
あらすじ
18世紀フレンチ・インディアン戦争最中のアメリカ。イギリスとフランスが広大な植民地戦争に明け暮れる中、イギリスの大佐令嬢姉妹コーラ(マデリーン・ストウ)とアリス(ジョディ・メイ)はヒューロン族に襲撃されます。それを救ったのが主人公ホークアイ(ダニエル・デイ=ルイス)らのモヒカン族。
コーラとホークアイは恋に落ちますが、イギリスのヘイワード少佐(スティーヴン・ウォディントン)の嫉妬からホークアイは捕らえられてしまいます。その後、イギリス軍の敗北により、コーラとアリスはヒューロン族に捕らえられ...。
見どころ
マイケル・マン監督、ダニエル・デイ・ルイス主演。イギリスとフランスの植民地戦争の中で、義と愛と誇りをかけて戦いゆくモヒカン族の雄姿を堪能してください。
アメリカ開拓時代におけるネイティブ・アメリカンの動向は、日本では馴染みがないため、新鮮な魅力があふれています。侍の時代に、アメリカではどのような歴史が繰り広げられていたのか、色々比べながら観てみるのも面白いでしょう。
TAXi【1998年】
あらすじ
主人公のダニエル(サミー・ナセリ)はタクシードライバーで根っからのスピード狂。愛車プジョーに驚異のハイテク改造を施し、どんなお客も猛スピードで送り届けてしまうのでした。一方で、マルセイユの各地で謎の強盗団による快速ベンツを使った連続銀行強盗事件が頻発。ダニエルは、スピード違反で逮捕されていましたが、警察から特別の待遇を受け、彼らの摘発に挑んでゆくことになります。
見どころ
リュック・ベッソン監督、サミー・ナセリ主演。その後シリーズ化されたうちの記念すべき第1作。当時のフランス、マルセイユが舞台となっており、プジョー406や、ベンツ500Eが南仏の街中をフルスピードで駆け巡る、痛快カーアクションです。
やんちゃだけど頼りがいのある主人公ダニエルと、カッコばかりのおとぼけ警官エミリアンの対比的な掛け合いがなんとも魅力的。そして、絵に書いたようなダメ署長ジベールの無駄な大はしゃぎぶりなど、コミカルな人間模様も必見です。
マルコビッチの穴【1999年】
あらすじ
人形師のクレイグ(ジョン・キューザック)は、定職に就こうと"7と1/2階"と呼ばれる事務所を訪ねました。そこで、15分だけ名優マルコヴィッチの頭の中に入れるという不思議な穴を見つけてしまいます。
見どころ
ジョン・キューザック主演、ヒロインをキャメロン・ディアスが演じました。もちろん作品のキーとなる役を名優ジョン・マルコヴィッチが演じています。世にも奇妙な物語に出てきそうなシュールなコメディ映画です。
フル・モンティ【1997年】
あらすじ
舞台は石炭不況吹き荒れるシェフィールド。主人公ガズ(ロバート・カーライル)は失業中、さらに離縁した元妻に一人息子の単独親権を通告され、何もかもを失っていました。
そこで、似たように居場所を失った男たちと語っているうちに「男性だけのストリップ劇場」を作ることに。社会にも女たちにも虐げられた彼らの鬱憤は果たして花を開くのか、その破天荒な挑戦物語にほんのりと心が温まります。
見どころ
ロバート・カーライル主演。2000年にはブロードウェイ・ミュージカル化されトニー賞をとった良作です。中年男たちの苦悩を笑いに変えたその皮肉さがたまりません。『トレインスポッティング』、『ヒットラー』にも出てくるロバート・カーライルの、味のある演技に感服します。
007 ゴールデンアイ【1995年】
あらすじ
ソ連崩壊後、ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)は、犯罪組織ヤヌスのゼニア(ファムケ・ヤンセン)とウルモフ将軍によって戦闘ヘリコプター「タイガー・アイ」を奪われてしまいます。彼らはロシアの宇宙秘密基地に入り、ソ連時代の人工衛星兵器「ゴールデン・アイ」を作動させ、その威力で基地丸ごと破壊してしまいます。そんな彼らをボンドが追います。
見どころ
マーティン・キャンベル監督、ビアース・ブロスナン主演。1995年興行成績世界3位を記録し、やや下降気味にあったシリーズを復活させた作品とも言われています。アンチヒロイン、ゼニア役のファムケ・ヤンセンの恐るべき必殺拳とボンドとの熾烈なバトルが見ものです。
天と地【1993年】
あらすじ
静かなベトナムの農村にレ・リー(ヘップ・ティ・リー)という1人の少女が家族とともに健やかに暮らしていました。その平穏を破ったのは、米軍による無慈悲な攻撃と、村側での陰湿な裏切者狩り。
どこにも居場所のなくなったレ・リーは、ホーチミンの富豪宅に使用人として身を寄せますが、そこでも主人との不倫の子をもうけ、激怒した本妻によって追放されます。やがて米軍兵スティーブと出会い、結婚し、妻子を連れ自由の国アメリカへ渡るのですが...。
見どころ
実際にベトナム戦争を経験した女性の原作を基にしたヒューマンドラマ。『プラトーン(1986年)』、『7月4日に生まれて(1989年)』と併せて、オリバー・ストーン監督のベトナム戦争3部作の最終作とされています。
アメリカで作られた映画ですが、アメリカ、ベトナムどちらかに肩入れすることなく、人間レ・リーの激動の運命が描き出されているのが印象的。人間というものの本質、自由、戦争、平和、すべてにおいて生々しく問いかけるものがあり、心に残る物語です。
最後に
以上、1990年代のおすすめ洋画15作品をご紹介しました。
戦争や神話を元にした作品が多くありますが、現在の高い技術で再現されたCGとは違い、現実味のある描写が多くあります。物語の時代背景だけでなく、20年前に作られた映像として現在と比較するのも面白いかもしれません。ぜひ、様々な角度から堪能してみてくださいね!
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