『ブレードランナー2049』がついに10月27日(金)に公開されます。1982年、アメリカでの公開直後に、日本でも公開され衝撃的な未来の姿が描かれていると話題となった『ブレードランナー(1982年)』。そんな前作から35年の時を経て製作されたファン待望の続編です。
前作で監督を務めたリドリー・スコットは製作総指揮に回り、本作では現在注目のドゥニ・ヴィルヌーヴが監督を務めました。新旧のSF監督が手を組み、前作に引き続きハリソン・フォードも出演した衝撃の作品です。
『ブレードランナー2049』作品紹介
あらすじ
世界が荒廃の一途をたどる2049年。同様に明るい未来を感じることの出来ない空気が包み込むカリフォルニアで、ある事件が起こります。
その時代、世界には人間、そして人間と見分けのつかない人造人間”レプリカント”が存在していました。いつしか危険視されるようになったレプリカントは、「ブレードランナー」と呼ばれる捜査官よって取り締まられることになります。
K(ライアン・ゴズリング)もブレードランナーの1人であり、彼は日夜人間に反旗を翻すレプリカントを狩っては「引退」(抹殺)へと追い込んでいました。そんなある日、Kは人間とレプリカントに関わる重要な捜査を任されます。
Kは捜査をするうちに、レプリカントの製造を行う会社”ウォレス社”の陰謀を知ります。その陰謀と結びつく1人の男デッカード(ハリソン・フォード)。彼は30年前に自身と同じブレードランナーとして動き消息を絶った人間でした。彼が持つ秘密こそ事件の鍵、そしてそれは人類の未来に関わる重要なものとなるのです。
見どころ
35年の時を経て2017年10月27日(金)に続編が公開となる本作。物語は前作から30年が経過した世界の設定で、随所に前作と同じ空気、変わらぬ薄暗い景観が見て取れます。
主人公のK役には、同年日本でも話題を集めた映画『ラ・ラ・ランド(2017年)』のライアン・ゴズリング。そして本作のキーパーソンに、前作の主人公デッカード役でハリソン・フォードが出演しています。監督には、SF映画に新たな風を吹き込んだと言われるドゥニ・ヴィルヌーヴ。その他ジャレッド・レト、アナ・デ・アルマスなど、今をときめく人気の役者が映画を彩ります。
『ブレードランナー2049』徹底解説
前作『ブレードランナー』
本作を語る上で外せない前作『ブレードランナー』には、人類に問いかける大きな謎が存在します。
それは、命の正体。何を持って人間とするのか、何を持ってレプリカントとするのか。人類とは何か、を問いかけることで多くの話題を集めました。
本作に登場する人造人間、通称レプリカントはその名の通り人間ではありません。しかし、物語の中で次第に感情が芽生え、中にはレプリカントとしての記憶を消され人間として生きる者も存在します。
そもそも人間そっくりに作られた彼らに、人間と同じく記憶があり、さらに感情が芽生えた理由は一体何なのでしょう。奴隷のように扱われ、寿命がくると壊される、そんな状況に感情が芽生えたレプリカントが、反旗を翻したのが前作『ブレードランナー』です。
監督リドリー・スコットの思い
レプリカントの「引退」(抹殺)を行うのがライアン・ゴズリング演じる主人公K。
彼はその仕事の中で、人間とレプリカント、2つの相反する種族の壁を壊すことに繋がる、ある陰謀と対面します。その陰謀はデッカードが抱える”秘密”と繋がっており、その"秘密"が本作でも重要な要素となっています。
「知る覚悟はあるか」
これは本作のキーワードでもあり、再びもたらされることになる衝撃の真実へと繋がっていくのです。
本作の製作総指揮を務めたリドリー・スコットは、自身が監督した『エイリアン』シリーズでも同様に、人類の存在に対して大きな疑問をぶつけています。どこからやってきたのか、何を持って人類と呼べるのか。本作では、新しい考え方を持つドゥニ・ヴィルヌーヴへとバトンタッチ、新たな目線でその疑問に立ち向っています。
本作が与える影響
『ブレードランナー』が与えた影響は、その世界観。前作は、実際の年代から少し先の2019年を舞台とし、環境問題など多くの問題を抱える荒廃しかけた世界を描きました。
物語の中心は、主人公デッカードが活動の拠点にしていたある街。そこは、日本を思わせる景観が多く、その証拠に漢字や日本語のようなものが随所に見て取れます。この荒廃した都市は、近未来の代表的な景観となりました。
最後に
SF映画の金字塔、カルト作品の続編ということもあり第1作と比較されがちですが、今作は全米にてオープニング首位という好発進を記録。良い反応が多く、前作を凌ぐという声も聞こえているほど。荒廃した未来都市の映像美や人類の未来に問いかける物語が、SF映画の新たな傑作として注目を集めています。
30年以上に渡り語り継がれる前作から、満を持して製作された『ブレードランナー2049』。監督リドリー・スコットからドゥニ・ヴィルヌーヴ、主演をハリソン・フォードからライアン・ゴズリングと新世代へとバトンタッチしながら、前作に劣らない最高のSF映画が完成しています。
日本公開は10月27日(金)。続編『ブレードランナー2049』も長きに渡って愛される名作になるでしょう。
■監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
■公開:10月27日(金)全国ロードショー
■配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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