そんなエドガー・ライト監督のおすすめ過去作品10選をご紹介します。
目次
ショーン・オブ・ザ・デッド【2004年】
あらすじ
ロンドンで家電量販店の従業員としてパッとしない日々を送る29歳のショーン(サイモン・ペグ)は、恋人にもフられ踏んだり蹴ったり。そんなある日、街中にゾンビがあふれかえり、ルームメイトのエド(ニック・フロスト)とともに家族と恋人を救いに向かいます。
見どころ
日本では未公開の同作ですが、ゾンビ映画にコメディとラブストーリーの要素を織り交ぜて、イギリスでヒットした秀作。ジョージ・A・ロメロ監督の名作ゾンビ映画『ゾンビ(1978年)』をパロディ化した作品です。ホラーですが、コメディ要素が強いので、怖がりな人でも大丈夫。
ランド・オブ・ザ・デッド【2005年】
あらすじ
ゾンビが増殖し、人間が追いやられてしまった近未来の世界。残った人間は川に囲まれた島に独自の要塞を築き、富裕層と貧民層に分かれながら日々を送っていました。そんな中、物資調達部隊のライリー(サイモン・ベイカー)はテロを予告した部下の粛清を条件付きで引き受けます。
見どころ
前述したジョージ・A・ロメロ監督が20年ぶりにメガホンをとった同作。もともとロメロ監督の『ゾンビ(1978年)』のファンでパロディ作品『ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年)』を撮ったエドガー・ライトは、それをきっかけに同作への出演を果たしています。ゾンビ同士が意思疎通ができたりと、ちょっと斬新な設定がおもしろいです。
ホット・ファズ―俺たちスーパーポリスメン!―【2007年】
あらすじ
優秀な警察官のニコラス・エンジェル(サイモン・ペグ)は、その活躍を上司らから疎まれ、ロンドンから小さな田舎町のサンドフォードへと左遷させられてしまいます。事件もなく、のんびりとしたサンドフォードで、鬱屈する日々を送る彼ですが、実はこの町には重大な秘密が潜んでいました。
見どころ
『ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年)』に続いてエドガー・ライト監督が再びメガホンをとった、2部作目。主演のサイモン・ペグら、数人の役者が引き続き出演しています。アクション、ブラックコメディに加えサスペンスの要素が織り交ぜられた楽しい作品。
グラインドハウス【2007年】
あらすじ
同作は映画本編2本と、存在しない架空の映画のための予告編4本で構成された作品。エドガー・ライト監督はこのうち予告編である『Don’t』を製作しています。洋館の前に立つ数人の男女。そこへ突然ゾンビのようなものが現れ、叫び声とともに「Don’t」のテロップが。また洋館の内部で同じような構成が繰り返されます。
見どころ
映画本編はロバート・ロドリゲス監督の『プラネット・テラー』とクエンティン・タランティーノ監督の『デス・プルーフ』の2本。第60回カンヌ映画祭のコンペティション部門に選出されました。
B級ホラー映画予告編のようなエドガー・ライト監督の『Don’t』は、過剰な編集でだんだん感覚が狭まり、笑いを起こすことで「架空のもの」とわかるようになっています。
リトル・ランボーズ【2007年】
あらすじ
イギリスの田舎町に住む父親のいない少年ウィル(ウィル・ミルナー)。やはり父親のいない少年リー・カーター(ウィル・ポールター)と、対立しながらも徐々に心が通い合っていくように。2人は協力して「ランボーの息子」という映画を撮影しようとします。
見どころ
ガース・ジェニングス監督の秀作。同作でエドガー・ライトは理科教師として出演しています。サンダース映画祭でプレミア上映され、エンパイア賞ではコメディ賞、ロカルノ国際映画祭では観客賞を受賞しています。コメディですが底に流れるテーマは不変で重厚なもの。
スコット・ピルグリムVS.邪悪な元彼軍団【2010年】
あらすじ
カナダのトロントで売れないバンドのベーシストをしているスコット(マイケル・セラ)。女子高生の彼女がいるのに、NYからやってきた女の子ラモーナ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)にひとめぼれ。しかし彼女と付き合うには、7人の邪悪な元彼軍団と戦わなければいけないのでした。
見どころ
ブライアン・リー・オマリーのコミック『スコット・ピルグリム』が原作。日本では公開が危ぶまれたものの、署名活動により2011年にゆうばり国際ファンタスティック映画祭での先行上映を経て、一般劇場公開されることになりました。オタクの主人公と元彼が格闘ゲーム風に戦う演出が楽しい作品。メアリー・エリザベス・ウィンステッドのキュートさが爆発しています。
アタック・ザ・ブロック【2011年】
あらすじ
ロンドンのガイ・フォークス・ナイトに公共団地でストリートギャングのモーゼス(ジョン・ボイエガ)らに恐喝されていたサム(ジョディ・ウィッテカー)。突如落ちてきた隕石とともに発見した小さなエイリアンをモーゼスが殺してしまい、襲撃してきたエイリアンたちとの闘いがはじまるのでした。
見どころ
監督はジョン・コーニッシュ。エドガー・ライトは製作総指揮でした。クエンティン・タランティーノ監督は2011年の映画ベスト4のうち1本として挙げています。ニューヨーク映画批評家オンライン賞の新人監督賞、オースティン映画批評家協会賞の第1回作品賞と作曲賞を受賞。最初は憎たらしいモーゼスをいつの間にか応援してしまいます。これぞB級映画という楽しさ。
タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密【2011年】
あらすじ
少年記者のタンタン(ジェイミー・ベル)が、愛犬スノーウィとともに蚤の市で見つけた、ユニコーンをかたどった帆船の模型。タンタンらはその模型の秘密に触れてしまい、それに関わる争いに巻き込まれていくのでした。
見どころ
エルジェによるバンドデシネ『タンタンの冒険』シリーズのうち数作を原作とした3D映画。監督はスティーブン・スビルバーグで、エドガー・ライトは脚本家の1人として制作に関わっています。セントルイス映画批評家表解消のアニメ映画賞など、受賞も多数。謎あり、アクションありで、大人から子どもまでワクワクできる作品です。
ワールズエンド 酔っ払いが世界を救う!【2013年】
あらすじ
アルコール中毒のゲイリー(サイモン・ペグ)は、幼馴染たちと久々に再開し、学生時代に達成できなかった、12件のパブをハシゴする「ゴールデン・マイル」に挑戦。そのためはるばる故郷まで帰ってきた5人ですが、エイリアンによる地球侵略が進められていることに気づいてしまいます。
見どころ
『ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年)』、『ホット・ファズ―俺たちスーパーポリスメン!―(2007年)』に続くスリー・フレーバー・コルネット3部作の最終作。中年が飲み歩いてエイリアンと戦う、という一見むちゃくちゃなシナリオですが、伏線など複雑に練られており見ごたえのある作品。5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナンも出演しています。
アントマン【2015年】
マーベルエンターテイメント公式Instagramアカウント(@marvel)より
あらすじ
刑期を終えたばかりのスコット(ポール・ラッド)は更生して世間に馴染もうとするものの周囲の反応は冷たいまま。再逮捕されてしまったスコットの身柄を引き取ったハンク・ピム博士(マイケル・ダグラス)に、「アントマン」になり平和を守ってほしいと言われてしまいます。
見どころ
マーベル・コミック「アントマン」を実写映像化。正義のヒーローなのに身体は1.5センチというユニークな設定がエドガー・ライト監督作品としてぴったりの、楽しい作品。身体の小ささを生かした演出、個性的なキャラクターが魅力です。
最後に
エドガー・ライト監督のこれまでの作品は低予算で制作されたものが多く、しかし批評家からは安定して高評価を得ているのが特徴でした。ベイビー・ドライバーを機にエドガー・ライト監督のファンになった人はぜひそんな彼の過去作品も楽しんでみてください。
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