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日本が世界に誇る俳優・渡辺謙が出演するおすすめ映画10選

渡辺謙は1979年に演劇集団円の養成所で役者修行を開始し、1982年に同劇団の正劇団員に昇格。若い頃から舞台の主演を務めるなど、才能を発揮してきました。白血病やC型肝炎などの病に倒れながらも復活し、1987年に出演した大河ドラマ『独眼竜政宗』では平均視聴率39.7%という大河史上最高の数字を記録し、一躍スター俳優となりました。

今回はそんな、不屈の精神で世界的な俳優となった渡辺謙が出演するオススメの映画を10作品ご紹介します。

ラストサムライ【2003年】

ラストサムライ
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あらすじ

時は南北戦争時代、士官として活躍したオールグレン大尉(トム・クルーズ)は、女子供やインディアンを殺した罪悪感から酒浸りになる毎日。彼はある日、バグリー大佐(トニー・ゴールドウィン)から大臣の大村(原田眞人)を紹介され、大村から日本の帝国陸軍の指導を依頼されます。高額な報酬に目がくらみ依頼を受けたオールグレンですが、指導する軍隊は銃の扱いにも慣れていない状態でした。そんな時、廃刀令に従わず政府に反抗していた勝元(渡辺謙)が鉄道を襲うという事件が起き…。

見どころ

日本の武士道を表現した作品。渡辺謙が演じる勝元のモデルは、西郷隆盛とも土方歳三とも言われています。近代化の波に逆らっていく勝元たちと武士道の精神世界に引かれていくオールグレン大尉の対比に、ハリウッドらしい迫力ある演出が加わり、素晴らしい仕上がりに。

渡辺謙さんの演技は迫力に満ちていて、撮影前は離婚問題などで精神的に大変だった時期だと思いますが、見事に演じ切っています。この作品で彼はアカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。『硫黄島からの手紙(2006年)』のオファーは、この作品でハリウッドから存在感が評価されたことによるものと言われています。



SAYURI【2005年】

SAYURI
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あらすじ

9歳で祇園の遊女屋に売られたさゆり(チャン・ツィイー)は、意地悪な先輩からのいじめに耐えながら芸者修行に励んでいました。ある日、会長と呼ばれる紳士(渡辺謙)に出会い、彼の優しさに触れ、次第に惚れていくさゆり。彼女は会長に会いたい一心でさらに芸者修行に力を入れていきますが…。

見どころ

ハリウッドが製作した日本が舞台の作品。渡辺謙を始め、役所広司や桃井かおりなど日本の俳優が多く出演していますが、主演は中国の女優チャン・ツィイーが務めました。映画の中で描かれる日本像は物議を醸しましたが、準主役の渡辺謙は安定した芝居で世界観に引き込んでくれます。さゆりが一人前の芸者になるべく必死に努力する姿に胸を打たれることでしょう。

北の零年【2005年】

北の零年
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あらすじ

明治3年、蜂須賀家臣の武士が、稲田邦植の別邸や学問所などを襲う事件が起こりました。この事件で、稲田主と家臣は北海道への移住を言い渡されます。英明(渡辺謙)やその妻である志乃(吉永小百合)は、開拓された地は稲田家の領地になると信じて、希望に満ち溢れていました。北海道の地では、アイヌ人のアリシカが英明らと深く関わっていきます…。

見どころ

実りの無い厳しい北国の様子と力強く生きる人々を描いた感動作。吉永小百合さん主演ということで公開前から注目されていました。渡辺謙さんは吉永小百合さんの夫役を見事に演じきっています。吉永さんはこの作品で日本アカデミー最優秀主演女優賞、渡辺謙さんは、優秀助演男優賞を受賞しています。

硫黄島からの手紙【2006年】

硫黄島からの手紙
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あらすじ

1944年、太平洋戦争の最中。硫黄島に派遣された兵士、西郷(二宮和也)は、生まれたばかりのわが子に会うため、絶対に生きて帰ろうと決意します。指揮官として硫黄島に着任した栗林(渡辺謙)は、従来の暴力的な上官と違い、体罰を嫌う風変わりな男でした。西郷は、栗林のやり方に驚くとともに希望を感じるようになります。徹底した防御戦略を主張する栗林に反発する者も現れる中、ついにアメリカ軍が硫黄島に上陸するのでした…。

見どころ

クリント・イーストウッド監督作品ですが、メインキャストは全て日本人、言語も日本語で仕上げられた珍しい映画です。『父親たちの星条旗(2006年)』と対になった映画で、撮影前は、日本人に監督を依頼する予定だったそう。渡辺謙さんも素晴らしい演技を見せますが、抜擢された二宮和也さんも話題を呼びました。映画の公開前後では、テレビでも硫黄島の特番が組まれるなど、大きく注目を集めた作品です。

明日の記憶【2006年】

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あらすじ

広告代理店で働く佐伯雅之(渡辺謙)は仕事で大口の契約をとったり、娘の結婚が決まったりと順風満帆な生活を送っていました。しかし、物忘れが激しくなってきたことが気になり病院に行くと、若年性アルツハイマーであることを告げられます。事実を受け入れられない佐伯は病院の屋上から飛び降りようとしますが、医者の吉田(及川光博)に説得され、思いとどまります。妻の枝実子(樋口可南子)に「私がついてますから」と言われた佐伯は、病と闘うことを決意します。

見どころ

意外なことに2006年のこの映画が渡辺謙さんの初主演作であり、日本アカデミー最優秀主演男優賞を受賞しています。渡辺謙さんは原作への思い入れが強く、原作者の萩原浩さんに直接手紙を送ってキャスティングを直訴したそうです。娘の結婚式でスピーチするシーンは、涙なしでは観られません。

沈まぬ太陽【2009年】

沈まぬ太陽
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あらすじ

国民航空の労働組合委員長として会社とやりあった恩地元(渡辺謙)は、カラチやナイロビの営業所に飛ばされて、左遷人事に耐えていました。副委員長だった行天四郎が常務に取り入って出世街道を進んでいる中、東京に戻ってきた恩地は閑職に追いやられる状況。そんな中、航空機の墜落事故が起きるのです。遺族係へと配属された恩地は、遺族の怒りと悲しみに直面することになります…。

見どころ

1985年に起きた日本航空123便墜落事故をモチーフにした山崎豊子の同名小説が原作ですが、社会的な色味が強すぎるために映像化は困難だと言われていました。家族を亡くした遺族たちの激しい怒りと悲しみ、何百と並ぶ遺体と向き合うシーンなど、映像からも事故の峻烈さを感じます。難役をやり切った渡辺謙さんは日本アカデミー最優秀主演男優賞を獲得し、作品も最優秀賞に輝いています。

インセプション【2010年】

インセプション
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あらすじ

コブ(レオナルド・ディカプリオ)は人の夢に入り込んで、アイディアを盗むという産業スパイ。優秀なスパイとして重用されていた彼はある日、日本人実業家のサイトウ(渡辺謙)より、人の夢に入り込んで考えを植え付ける「インセプション」という仕事を依頼されます。
 

見どころ

複雑な設定と編集により時間軸が分かりにくい作品ですが、そこはさすがに鬼才クリストファー・ノーランの監督作品、スタイリッシュな映像とストーリー展開に引き込まれます。『ラストサムライ』でのトム・クルーズとの共演に続き、この作品ではレオナルド・ディカプリオをはじめとしたハリウッド俳優陣と堂々渡り合っている渡辺謙さん。準主役級の配役で存在感を放っています。

はやぶさ 遥かなる帰還【2012年】

はやぶさ 遥かなる帰還
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あらすじ

2003年に打ち上げられ、2010年に地球へ帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の開発と運用に関わった人々の実話をもとにした物語です。プロジェクトマネージャーの山口(渡辺謙)は壮大なプロジェクトを前に、緊張の面持ちで経過を見守っていました。はやぶさは2005年に、小惑星「イトカワ」へのタッチダウン(着地)を成功させたかに見えましたが、エンジン不調に見舞われてしまいます…。

見どころ

江口洋介さんや山崎努さん、夏川結衣さんなど豪華キャストが名を連ねていますが、やはり渡辺謙さんの重厚な演技が目に付きます。流ちょうな英語でのやりとりは流石ハリウッドで活躍する「世界のワタナベ」。しかしあくまで、大きくスポットが当てられているのは映画の主役である「はやぶさ」です。たくさんの人々の夢を乗せて、燃え尽きながら地球に帰還するラストシーンは涙なしには見られません。

許されざる者【2013年】

許されざる者
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あらすじ

舞台は1880年の北海道。釜田十兵衛(渡辺謙)は、かつて「人斬り十兵衛」と恐れられた男でしたが、愛する女性と出会い、刀を捨てる覚悟を決めます。2人の子供に恵まれ、貧しいながらも静かな生活を送っていました。そんなある日、昔の戦友、馬場金吾(柄本明)が賞金首の話を持ちかけてきます。

見どころ

1992年にクリント・イーストウッドが監督兼主演を務めた作品のリメイク版。監督は『悪人(2010年)』『怒り(2016年)』の李相日です。目を背けたくなるほどのハードな暴力描写もありつつ、渡辺謙さんの渋い芝居が鋭く輝きを放っています。名作のリメイクには往々にして厳しい評価が付きやすいですが、このリメイクには快哉を叫びたいところ。柄本明さんや佐藤浩一さんの演技も素晴らしく、台詞の一つひとつに芯が通っています。

怒り【2016年】

怒り
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あらすじ

八王子で起きたある夫婦の惨殺事件。現場には「怒」の血文字が残されていました。事件が未解決のまま1年が経ったころ、山神一也という男が犯人だと判明しますが、犯人は整形手術をして逃亡していました。同時期、漁師をしている槙洋平(渡辺謙)とその娘、愛子(宮﨑あおい)のもとへ田代(松山ケンイチ)という男が現れ、同性愛者の藤田優馬(妻夫木聡)は大西直人(綾野剛)と出会い、離島に暮らす小宮山泉(広瀬すず)が島でサバイバル生活を送っている田中信吾(森山未來)を発見します。千葉、東京、沖縄に現れた犯人そっくりの3人の男。犯人は一体…?

見どころ

原作は吉田修一の同名小説、監督は李相日という『悪人(2010年)』の製作コンビです。豪華キャストも話題になり、公開前から注目されていました。リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件をモチーフにした骨太なサスペンスで、観ている側も主観的に犯人を推理しながら鑑賞するような構成になっています。渡辺謙さんの演技は流石の一言で、ラストの田代への電話シーンはすさまじい迫力でした。キャストの妻夫木聡さんがこの作品で日本アカデミー最優秀助演男優賞を受賞しています。

最後に

人気絶頂の時期に病に倒れたり、女性問題を取り上げられたりと、プライベートでは大変な苦労をされている渡辺謙さん。しかし、出演する映画やドラマ、舞台ではその才能をいかんなく発揮し、まさに日本が世界へ誇る俳優となりました。お子さんも俳優として活躍しています。これからも様々な作品でその姿を見たいですね。