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戦慄のダーク・サスペンス『ブリムストーン』レビュー。罪人には断罪を…

愛と暴力、信仰心を巡る壮絶なスリラー、『ブリムストーン』が1月6日(土)から公開されます。本作は『L.A.コンフィデンシャル(1997年)』、『アイアンマン3(2013年)』などで知られるガイ・ピアースと、『アイ・アム・サム(2001年)』で天才子役として一躍注目を浴びたダコタ・ファニングが主演を務めており、他にエミリア・ジョーンズ、キット・ハリントンなど、話題の俳優が脇を固めています。

監督・脚本はオランダの名匠マルティン・コールホーヴェン。19世紀のアメリカの西部開拓時代を背景に、過酷な時代を生き抜く1人の女性の生き様が描かれています。

『ブリムストーン』作品概要

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©2016 brimstone b.v./ n279 entertainment b.v./ x filme creative pool gmbh/ prime time/ the jokers films/ dragon films

あらすじ

小さな村で、年の離れた夫と2人の子供と暮らす美しい女性・リズ(ダコタ・ファニング)。ある事情で言葉を発することは出来ないものの、村では助産師として頼られる存在。夫の連れ子である長男は少し反抗的だが、概ね幸せに暮らしていた。しかしある日、村にやってきた一人の男の存在が、彼女の人生を一変させる。男は鋼のような肉体と信仰心を持つ牧師(ガイ・ピアース)だった。「汝の罪を罰しなければならない」そう告げられたリズの脳裏に壮絶な過去がよぎる。そして彼女は、家族に身の危険が迫っていることを伝えるのだが…。果たしてリズの過去に秘められた"罪"とは。男は何者なのか?やがて彼女の家に撃ち込まれた一発の銃弾。それは愛と暴力と信仰心を巡る、恐るべき物語の始まりを告げるー。



『ブリムストーン』作品レビュー

アメリカ西部の未開拓地帯が舞台の本作は、「罪と罰」をテーマにした、愛と暴力と信仰心を巡る年代記。「地獄の業火」を意味する「Brimstone(ブリムストーン)」というタイトルにふさわしい、戦慄の物語となっています。

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©2016 brimstone b.v./ n279 entertainment b.v./ x filme creative pool gmbh/ prime time/ the jokers films/ dragon films

ダコタ・ファニングが演じるリズは、言葉を発することができないものの、小さな村で幸せに暮らしています。ところが、ある牧師の出現によってそんな生活が一変。彼はリズの秘められた過去を知っており、狂信とすら呼べるほどの信仰心から、罪を罰するべくリズにつきまとうのです。ガイ・ピアース演じる牧師の存在感は強烈で、観る者を恐怖の底へ突き落とします。

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©2016 brimstone b.v./ n279 entertainment b.v./ x filme creative pool gmbh/ prime time/ the jokers films/ dragon films

本作は「Revelation(啓示)」、「Exodus(脱出)」、「Genesis(創世)」、「Retribution(報復)」という4つの章で構成され、章が進むにつれて、リズの秘められた罪や言葉を発することのできない理由など、謎に包まれた過去が次々に明かされていきます。

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©2016 brimstone b.v./ n279 entertainment b.v./ x filme creative pool gmbh/ prime time/ the jokers films/ dragon films

「西部劇」というと体を張った乗馬アクションなど、男性的な作品のイメージが強いですが、この映画は女性が主人公。19世紀のアメリカ西部を女性視点から描いたものは珍しく、当時の残酷なミソジニー(女性蔑視)がリアルに描写されていることなども含め、これまでに無い作品が生まれたと言えます。

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©2016 brimstone b.v./ n279 entertainment b.v./ x filme creative pool gmbh/ prime time/ the jokers films/ dragon films

時には思わず目を背けたくなってしまうような、バイオレンスなシーンも。一度見たら脳裏に焼き付いて離れない衝撃的な描写を用い、当時女性に向けられていたサディズムが克明に映し出されています。

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©2016 brimstone b.v./ n279 entertainment b.v./ x filme creative pool gmbh/ prime time/ the jokers films/ dragon films

アメリカ映画において牧師は、悪魔などから人々を救ってくれる存在として描かれることが多いですが、本作では牧師そのものが冷酷な悪魔のよう。しかし正視に絶えない残虐な行為に手を染める、血も涙もない彼は、心から神を信じていました。「信じる者は救われる」という言葉がありますが、この世界に絶望し誰よりも救いを求めていたのは、彼自身だったのかもしれません。

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©2016 brimstone b.v./ n279 entertainment b.v./ x filme creative pool gmbh/ prime time/ the jokers films/ dragon films

スリリングな展開続きの4章立てで、時間を忘れて見入ってしまう本作。果たして、牧師が追ってくる理由は…?リズが抱える過去の罪とは…?ぜひ劇場で、戦慄のダーク・サスペンスをご覧ください。『アイ・アム・サム』から16年の時を経て、立派な美女に成長したダコタの姿も必見です!

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©2016 brimstone b.v./ n279 entertainment b.v./ x filme creative pool gmbh/ prime time/ the jokers films/ dragon films

予告編動画

Klockworx VOD YouTubeチャンネルより
 

『ブリムストーン』作品情報

■【キャスト】
ガイ・ピアース(『エイリアン:コヴェナント』『ロックアウト』『メメント』『L.A.コンフィデンシャル』 )
ダコタ・ファニング『アメリカン・バーニング』『ランナウェイズ』『アイ・アム・サム』
エミリア・ジョーンズ『ハイ・ライズ』『海賊じいちゃんの贈り物』『グランドフィナーレ』
カリス・ファン・ハウテン『ドクター・エクソシスト』『ブラックブック』『ワルキューレ』
キット・ハリントン『ゲーム・オブ・スローンズ』『ポンペイ』

■【スタッフ】
監督・脚本:マルティン・コールホーヴェン
製作:ウーヴェ・ショット『愛、アムール』、エルス・ファンデヴォルスト『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』
音楽:ジャンキー・XL『デッドプール』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
撮影:ローヒエ・ストファース『君への誓い』
編集:ヨープ・テル・ブルフ『エル ELLE』
衣装:エレン・レンス『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』

2016 年/オランダ・フランス・ドイツ・ベルギー・スウェーデン・イギリス・アメリカ/英語・オランダ語
デジタル上映/148 分/原題:BRIMSTONE/配給:クロックワークス
レイティング R15+ 

映画『ブリムストーン』は2018年1月6日(土)より、新宿武蔵野館ほかから順次公開!公式サイトはこちら