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CIA、MI6、キングスマン…英米スパイ対決!本当にスゴいエージェントは誰?

現在公開中の大人気スパイ映画第2弾『キングスマン:ゴールデンサークル』。劇中の諜報機関キングスマンとステイツマンのように、スパイ同士が共闘するのもスパイ映画の醍醐味ですよね。

キングスマン映画公式Instagramアカウント(@kingsmanmovie)より

しかし今回はその逆!知力、体力、運、アクション、技術の面で英米スパイを勝手に競わせ、本当にすごいエージェントは誰かという番付をおこなってみたいと思います。

イギリス代表は『007』シリーズのジェームズ・ボンドと『キングスマン』のハリー・ハート。そしてアメリカ代表は『ミッション:インポッシブル(以下M:I)』シリーズのイーサン・ハントと『ボーン』シリーズのジェイソン・ボーンです。ジェームズ・ボンドは、初代ボンドのショーン・コネリーに次ぐ高評価のダニエル・クレイグ版ボンドで勝負します!

【西の大関】ハリー・ハート/『キングスマン』シリーズ

『キングスマン』
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アメコミを原作としたイギリスのスパイ映画『キングスマン(2015年)』。この作品から新しい英国紳士スパイが生まれました。その名はガラハットことハリー・ハート(コリン・ファース)。サヴィル・ロウにある高級テーラーの真下に存在するイギリスの独立スパイ組織「キングスマン」に属するトップエージェントであり、ハリーがスカウトした新人エグジー(タロン・エガートン)の師匠です。

『キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年)』がシリーズ第2弾として公開され、本作ではウイスキー蒸留所を経営するアメリカの同盟スパイ組織「ステイツマン」と共闘し、ますます活躍の場を広げています。シリーズ第3弾の製作も噂されていて今後もお目にかかれる模様。

【知力・体力・運】☆☆☆これぞ、英国紳士スパイ!

ハリーはキングスマンの名に恥じないキリッとしたスーツに身を包む英国紳士で、生まれも育ちも上流階級の出身。キングスマンはこれまで上流階級の立派な英国紳士しかエージェントとして受け入れてこなかったようですが、ハリーはこの考え方に真っ向から反対し、労働者階級の町の不良少年エグジーをキングスマンに推薦します。

"マナーが紳士を作る"が信条で、エグジーにも階級など関係なく英国紳士となれるように持てる限りの必要な知識を教え込みます。そんな上流階級仕込みの幅広い知識を持つハリーですが、続編ではもともと鱗翅蝶類学者になりたかったという意外な過去も明らかになります。

そのスマートな体格からは想像できないほど長い戦闘を繰り広げる能力を持っています。前作のヴィランであるヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)に頭を打たれて死んだと思われていましたが、続編で意外な境遇で生きていることがわかり、ここぞというときの強運を見せました。

【アクション】☆☆☆キレッキレのアクションは健在

キングスマン映画公式Instagramアカウント(@kingsmanmovie)より

ハリーのトレードマークである、英国紳士が持つ黒傘を使ったアクションはキレッキレ!前作では英国らしいスパイガジェットを使って、続編では米国らしいステイツマンのものを拝借して健在ぶりを見せつけています。

特に前作ではヴァレンタインの陰謀を阻止しようと潜入した教会での大殺戮シーン、そして続編のヴィランである麻薬王ポピー(ジュリアン・ムーア)のアジト「ポピーランド」での大乱闘シーンで、ハリーの戦闘能力に驚くこと間違いなし!

前作でエグジーと対立する不良少年たちをカッコよく叩きのめしたハリーでしたが、続編でもパブの酔っ払い相手に同じアクションをしようとして大失敗!こういった英国っぽいシニカルなジョークも『キングスマン』の見どころの1つです。

【技術】☆☆☆☆☆英国らしいガジェット満載

前作に登場した英国らしいスパイガジェットが話題になりましたが、続編にはいかにもアメリカらしいガジェットも登場します。『007』シリーズにも負けない魅力的なスパイ道具がたくさん見られるのも『キングスマン』ならではです。

キングスマン映画公式Instagramアカウント(@kingsmanmovie)より

前作からお馴染みの情報表示機能付き眼鏡はカトラー&グロス社製、続編でも大活躍のタグホイヤー製の時計はあらゆる電子機器をハッキングできるという代物です。またキングスマンのエージェント御用達の靴はオックスフォードで、先端に毒性のナイフが隠されています。他にもローラガスライター型手榴弾や、5万ボルトの電流が流れる紋章入り指輪も印象的!

続編のアメリカらしいガジェットでは、ステイツマンのエージェントであるウイスキー(ペドロ・パスカル)が使う投げ縄や鞭も新鮮でしたが、他にもバット型地雷除去機やボール型手榴弾も登場します。ステイツマンたちはこれまた実にイメージにぴったりなカウボーイのスタイルで、ライフルや二丁拳銃の扱いも得意です。

スーツにマティーニを愛するキングスマンとは全くソリが合わない、デニムにウイスキーを愛するステイツマン。続編はこの英米対決も大きな見どころになっています。



【東の大関】ジェイソン・ボーン/『ボーン』シリーズ

『ジェイソン・ボーン』
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ロバート・ラドラムのスパイ小説から誕生したCIAの暗殺者ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)。『ボーン・アイデンティティー(2003年)』では暗殺に失敗して記憶喪失になった状態から物語が始まります。なぜ追われるのか、失われた自分の記憶をたどりながら未知の敵と戦うボーンの行く末にハラハラしっぱなし!

2作目『ボーン・スプレマシー(2005年)』では恋人のマリー(フランカ・ポテンテ)を失い、またもや追われる身となったボーンですが、自身を暗殺者にした「トレッドストーン計画」の真実を突き止めていきます。3作目『ボーン・アルティメイタム(2007年)』で、ついに自分を追う者と自分自身が何者かを知り、決着をつけたかに思われましたが、5作目となった『ジェイソン・ボーン(2016年)』で新たな事実が発覚します。

【知力・体力・運】☆☆☆☆判断力と瞬発力の天才!

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ジェイソン・ボーン映画公式Instagramアカウント(@jasonbourne)より

おそらく並みいるスパイ映画の登場人物随一の知力・体力を持ち合わせているのでは?と思われるジェイソン・ボーン。何ヶ国語をも瞬時に使い分ける語学力もさることながら、突発的な危機に面した時の判断力とそれを行動に移す瞬発力は天才的!人間兵器として生み出された経緯もあり、まさに機械的にすべての状況に適応していく能力はピカイチと言いたいところ。

しかしボーンは記憶を失っているため自分のアイデンティティーに常に不安を抱えています。元々の性格からか、暗殺のミッションをその人間性によって失敗し、完全に"マシン"にもなりきれなかった弱い部分も。とはいえ、それこそがジェイソン・ボーンの魅力の1つでもあるわけです。

【アクション】☆☆☆☆☆驚異の戦闘能力は最高レベル

どれだけ訓練すればあれほどの戦闘能力を習得できるのか?と思うほど、ボーンの戦闘力は驚異的。前述したようにとにかく敵に襲われた時の瞬発力がすごい!どんな状況でいかなる敵が現れても、一瞬でどう戦えば勝てるかを計算できるようです。

1作目ではまだまだ記憶が取り戻せないうちから、的確に人混みの中で敵を見分け退路を見出します。まさに体が覚えているという表現がふさわしい戦闘能力。2作目でいち早く追っ手を見つけたもののマリーを失い、今度は敵を追い始めたボーン。敵とみなした者は容赦なく冷静に倒していきます。3作目で「トレッドストーン計画」のアップデート版「ブラックブライアー計画」を知り、自分の暗殺者としての過去にも向き合っていきます。

アメリカが国家としてCIAを使って暗殺者育成をしているという、おとぎ話なのか実話なのか判断できないリアリティがボーンシリーズの特徴です。最高レベルの暗殺者を作り上げた国家組織が、逆にその暗殺者に狙われるという皮肉さも実にアメリカらしい物語です。

【技術】☆☆☆接近戦も銃撃戦も得意

ジェイソン・ボーン映画公式Instagramアカウント(@jasonbourne)より

全作通してボーンが見せるスパイ必須の技術は、他の作品に比べればガジェット的派手さはなくとも実戦的かつリアル。追われることが多いため接近戦や追跡戦が目立つ中、距離のある銃撃戦でも確実に標的を狙える技術を持っています。

また2作目のクライマックスにロシアで繰り広げたカーチェイスでは、普通のタクシーで警察の追跡をかわしつつ敵を追い上げました。ボンドカーならいざ知らず!ドライビングテクニックも特筆すべきものがあります。

【西の横綱】ジェームズ・ボンド/『007』シリーズ

『007 スペクター』
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イギリスのスパイ小説である『007』シリーズは、実際に海軍省情報部で工作活動に従事していたイアン・フレミングの経験によって生み出されました。1953年に発表された「カジノ・ロワイヤル」が小説第1作目であり、6代目ジェームズ・ボンドであるダニエル・クレイグ主演の第1作目『カジノ・ロワイヤル(2006年)』ともなりました。ボンドはコードネーム「007」を持つ英国秘密情報部=MI6のスパイで、任務遂行中の殺人許可証が与えられている特殊なエージェントです。

クレイグ版ボンド2作目『007 慰めの報酬(2009年)』は前作からの続編となっており、CIAや英国政府とも関わりのある巨大組織「クォンタム」の陰謀を追う姿が描かれています。3作目『007 スカイフォール(2012年)』では任務中に峡谷へ落下し、1度公式に死亡認定されてしまったことも!この作品でボンドの生家「スカイフォール」が登場し、4作目『007 スペクター(2015年)』でボンドの過去も明らかになります。

【知力・体力・運】☆☆☆☆☆運強く、拷問にも耐えうる精神力

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007映画公式Instagramアカウント(@007)より

撃たれて峡谷へ落下したにもかかわらず生き延びていたり、味方もいない八方塞がりな絶体絶命の状況でも必ず活路を見出せる強運の持ち主です。

クレイグ版ボンドはそれまでの設定を一新し、新人エージェントからのボンドの成長を描いているため1作目から割と任務に失敗するシーンも。しかしスパイとしての知力と体力のポテンシャルはMI6のボス「M」(ジュディ・デンチ)の認めるところで、Mはボンドのミスや行き過ぎた行動をかばいながらも厳しく接することでその能力を引き出そうとしています。

そして見逃せないのが恐るべき拷問に耐える姿。1作目では敵のル・シッフル(マッツ・ミケルセン)から股間打ちの拷問を受け、4作目では犯罪組織「スペクター」の首領オーベルハウザー(クリストフ・ヴァルツ)から脳を破壊するドリルの拷問にかけられます。

【アクション】☆☆☆☆ハードで派手なアクション

作品ごとに派手になっていくアクションシーンは、CGを使わない生身のアクションが臨場感を生んでいます。特にド派手な爆発シーンが多いのも『007』シリーズならでは!

1作目でのパルクールを使った追跡シーン、2作目冒頭のカーチェイスやボートチェイス、3作目冒頭ではバイクチェイスでも魅せます。とにかくボンドは追跡に様々な乗り物を使いますね。4作目での雪山の飛行機チェイスは手に汗握る仕上がり!

派手なアクションはアメリカの専売特許ではないことは、007が証明してくれます。しかし余談ですがダニエル・クレイグが生傷絶えない現場に嫌気がさしてボンド続投を拒んでいたらしいことも、これまたリアルな話。

【技術】☆☆☆☆☆奇想天外なギミックの復活

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007映画公式Instagramアカウント(@007)より

ボンドのトレードマークであるボンドカーのアストンマーチンDB5。なんと4作目ではMI6の研究開発課「Q」が、3作目ラストでボロボロになったこの車を完全修復!しかも4作目冒頭にはQ課が開発したアストンマーチンDB10も登場し、敵のジャガーCX-75とド派手なカーチェイスを繰り広げます。このDB10のギミックが凄まじく、火炎噴射や機関銃が搭載されている上にこちらは完全防弾仕様になっているのです。

クレイグ版ボンドは当初昔ながらの007らしい奇想天外なガジェットを封印していましたが、3作目には私用車アストンマーチンに機関銃が搭載され、これまた防弾仕様になっていました。同じくQ課製の時限爆弾機能付き腕時計のオメガも登場し、ボンドの危機を救っています。

【東の横綱】イーサン・ハント/『M:I』シリーズ

『ミッション:インポッシブル』
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アメリカのテレビドラマ『スパイ大作戦』を元にした映画作品としてスタートした『M:I』シリーズ。CIAの特殊作戦部「インポッシブル・ミッション・フォース(IMF)」のエージェントであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)が、実行不可能なミッションに挑むスパイ映画の王道を行く作品です。

1作目『ミッション:インポッシブル(1996年)』ではいきなりチーム壊滅の危機に加えて裏切者としてCIAに追われたイーサンですが、2作目『M:I-2(2000年)』ではトップエージェントに成長して殺人ウイルス奪還作戦に従事。3作目『M:I:III(2006年)』では引退し結婚しようとしていたにもかかわらず、現場復帰することになります。

4作目『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル(2011年)』と5作目『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年)』でもIMF解体の危機を乗り越え、イーサンのチームは孤立無援の中でもミッションを遂行します。

【知力・体力・運】☆☆☆☆タフさと勝負強さ1番!

数あるスパイの中でも、イーサンのタフさと勝負強さはダントツではないでしょうか?ボーン同様に多言語に通じている様子も描かれており、情勢を読む知力にも長けています。

ただしいつも予想外の事態に追い込まれる運の悪さも。1作目で裏切者にされたり、2作目ではイーサンの恋人となっていた協力者ナイア(タンディ・ニュートン)が殺人ウイルスを自ら打ってしまったり、3作目では妻となったジュリア(ミシェル・モナハン)が敵に捕らえられたり、4作目でテロ犯の汚名を着せられたりと、少しのミスと誤算がさらなる危機を呼びます。

【アクション】☆☆☆☆☆不可能なミッションに挑む大胆さ

Mission: Impossible映画公式Instagramアカウント(@missionimpossible)より

大胆不敵な驚異のアクションシーンは、『M:I』シリーズには不可欠なものです。イーサンを演じるトム・クルーズのアクションへのこだわりによって、よくぞこんなシーンを撮れた!と作品ごとに驚かされます。

1作目のCIA本部から極秘ファイルを盗み出す宙吊りのシーン、2作目の高層ビルの換気口のわずかな隙間から侵入するシーン、3作目の高層ビルからビルへと振り子式に飛び移るシーン。どれも手に汗握る場面ばかりです。

4作目ではなんとドバイの超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」で超高所クライミングまで強行!そして5作目では離陸した飛行機のドアにつかまったまま飛んでいくという荒業にまで行き着きます。

【技術】☆☆☆☆☆華麗なる変装術とドライビング技術

イーサン・ハントの代名詞ともいえるのが、その華麗なる変装術。フルフェイスのマスクで完全に別人になりきり敵の目を欺いてきました。しかし2作目ではイーサンの代役を務めていた敵に、逆に変装を利用されたことも。4作目ではマスク製造が間に合わないという場面もありました。

Mission: Impossible映画公式Instagramアカウント(@missionimpossible)より

もう1つの特筆すべき技術が、ドライビングテクニック。ボーンやボンドも素晴らしいテクニックを持っていますが、イーサンの場合はとにかく華麗で派手!特に5作目で見せたバイクチェイスとカーチェイスでは、CGを使わないリアルなドライビングテクを披露しています。

東西対決の行方は?最高のスパイは誰?

西の大関にハリー・ハート、東の大関にジェイソン・ボーン、西の横綱にジェームズ・ボンド、東の横綱にイーサン・ハントを番付してみましたが、どの作品も観れば観るほど甲乙つけがたいです。一方、東西対決という観点ではアメリカのCIAに匹敵する機関は国内外には存在しないということで、ここではアメリカに軍配が上がります。『キングスマン』も『MI6』も、一度あっさりと敵対勢力から壊滅的攻撃を受けたこともあり、脆さを見せています。

最高のスパイは組織の一部となれる者か、独断でも任務完了できる者かで評価も分かれそうですが、ここで取り上げたエージェントたちはみな自分で状況判断のできる無頼漢ばかりですね。総合力としてはチームでも個人でも任務遂行できるイーサン・ハントが1番なのではないでしょうか?

最後に

人気のシリーズとあって『M:I』も『007』も続編が製作されています。2018年8月には『ミッション:インポッシブル フォールアウト』が、2019年11月にはダニエル・クレイグ続投で『007シリーズ』新作『ボンド25(仮題)』の全米公開が決定されました。

『キングスマン』第3弾製作の可能性もあり、今後もますます新しいスパイ映画が発展していきそうで楽しみです。気になったシリーズがあったら、最新作公開前にぜひイッキ見してみてくださいね!