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『ストレンジャー・シングス』をより楽しむためのトリビアあれこれ

2016年にNetflixで公開されてから、爆発的な人気を博しているSFホラードラマシリーズ『ストレンジャー・シングス/未知の世界』。今年10月27日には満を持してついにシーズン2が公開されました!

ストレンジャー・シングス公式Instagramアカウント(@strangerthingstv)より

そこで今回は、監督・脚本を務めるダファー兄弟もNetflix特番『ストレンジャー・シングス 大解剖』で認めた、『ストレンジャー・シングス』に影響を与えた映画5選&トリビアを紹介します。

『ストレンジャー・シングス』あらすじ

ストレンジャー・シングス公式Instagramアカウント(@strangerthingstv)より

1980年代のアメリカ・インディアナ州、架空の小さな町・ホーキンス。平和だった町で起こり始める異変ー消えた少年、謎の少女、超常現象と国立研究所...。小さな町ホーキンスに隠された大きな秘密とは?

『ストレンジャー・シングス』は、Netflixオリジナル作品にも関わらず、まるでテレビシリーズかのようなヒットを叩き出し、本国ではハロウィンの時期に『ストレンジャー・シングス』の仮装をする人が現れるほど!

その人気っぷりも予告編を観れば一目瞭然。まるで映画のようなハイクオリティで怒涛のストーリーが展開していきます。

Netflix Japan YouTubeチャンネルより

15局以上のテレビ局が製作を断ったと言われていますが、蓋を開けてみれば社会現象を巻き起こすほどの大ヒット。

ストーリーが面白いのはもちろんですが、『ストレンジャー・シングス』がここまでの人気を集めた理由として、"1980年代"のノスタルジア溢れたその作風が挙げられると思われます。

ファッションはもちろん音楽や建物、子どもたちの遊び方などの他に1980年代にヒットした映画やテレビシリーズへ、愛のこもったオマージュが捧げられているため、特に当時を生きた大人たちにはとても懐かしく感じられるのです。



『ストレンジャー・シングス』に影響を与えた作品5選

1980年代と言われると、現代の若者には遠い昔のような気がしますが、当時ヒットした映画は今でも"伝説"と言われるような大ヒット作ばかりなんです!

例えば『ストレンジャー・シングス』の舞台1984年は、『ターミネーター』が公開した年でもあり、ホーキンスの映画館にも『ターミネーター』の文字が!みなさんは見つけられましたか?

では実際にどのような映画が『ストレンジャー・シングス』へ影響を与えたのでしょう。

E.T.【1982年】

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スティーブン・スピルバーグ監督の超有名SF映画。

『ストレンジャー・シングス』に登場する謎の少女イレブンは超能力を持った人間ですが、マイクをはじめとする少年たちに匿われる姿やテレビを見て英語を学ぶ姿は映画『E.T.』を彷彿とさせます。

ダファー兄弟も"シーズン1のイレブンはまるでE.T.のように少年たちに守られているんだ"と語っています。

グーニーズ【1985年】

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『ハリー・ポッターと賢者の石』でおなじみ、クリス・コロンバス監督の作品。伝説の海賊が残した地図を巡る少年たちの冒険譚です。

『グーニーズ』と『ストレンジャー・シングス』は"少年が活躍する"という点に共通点があり、さらに物語の途中から『グーニーズ』では主人公マイキーの兄たちが、『ストレンジャー・シングス』ではマイクの姉ナンシーたちが冒険に加わるところまでそっくり。子どもたちだけの冒険って何だかワクワクしますよね。

またシーズン1の後半で中学校の食堂に隠されたチョコレート・プリンをダスティンが見つけるシーンは、『グーニーズ』の食いしん坊チャンクのアイスクリームのシーンへのオマージュです。

そしてシーズン2から登場する新キャラクターのボブは、『グーニーズ』でマイキーを演じていたショーン・アスティン!


Sean Astin公式Instagramアカウント(@seanastin)より ショーン・アスティン(中央)とダファー兄弟

そんな繋がりからか、シーズン2でショーンの『グーニーズ』への素敵なオマージュも見られますよ。

『エイリアン』シリーズ【1979年】

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リドリー・スコットが監督を努めたSFホラーの金字塔。2017年にシリーズ最新作『エイリアン/コヴェナント』が公開されたり、今でも世界中で大人気の作品です。

『ストレンジャー・シングス』に登場する"裏側の世界(Upside Down)"の世界観はもちろん、怪物デモゴルゴンはまさに『エイリアン』シリーズの影響を感じます。

ダファー兄弟が『エイリアン』に捧げたオマージュはシーズン1最終話。デモゴルゴンに押し倒されたジョナサンを助けようと、ナンシーが銃を構えるシーン。

これは『エイリアン』でリプリーがパワーローダーでエイリアンに立ち向かうシーンへのオマージュです。セリフにまで『エイリアン』を感じられます。

未知との遭遇【1987年】

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『E.T.』同様スティーブン・スピルバーグ監督のSF作品です。人間と宇宙人のコンタクトを描いた作品で、本作品も『エイリアン』同様、SF映画の金字塔といえるでしょう。

『ストレンジャー・シングス』で失踪したウィルの母ジョイスが、息子とコンタクトを取れる唯一の術として、家中にクリスマスのライトを飾ります。これは『未知との遭遇』で科学者たちが宇宙人とコンタクトを取ろうとするシーンから着想を得ています。

また、シーズン2のジャンクヤードでスティーブがデモゴルゴンを待ち構えるシーンや、シーズン1のマイクの妹ホリーがジョイスの家で光に誘われてウィルの部屋に入り込むシーンにおいて、役者たちにに不気味な雰囲気を伝えるために撮影時に『未知との遭遇』のサウンドトラックを実際に流したそうです。

スタンド・バイ・ミー【1986年】

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出典:amazon.co.jp
原作はホラー小説の巨匠スティーブン・キング。小さな町に住む4人の少年が"死体探し"の旅に出る一夏を描いた作品です。

"小さな町の4人の少年"ですでに『スタンド・バイ・ミー』を感じますが、『ストレンジャー・シングス』の作中に『スタンド・バイ・ミー』と同じように線路を歩くシーンも登場します。

ちなみにマイク、ウィル、ルーカス、ダスティン役の少年たちはこれらの役を得たオーディションの際に『スタンド・バイ・ミー』の少年たちの役を演じたそうです。

『ストレンジャー・シングス』をより楽しむための小ネタ

実は『ストレンジャー・シングス』の脚本・監督を務めたダファー兄弟はかなりのオタク。紹介した5作品の他にも『ストレンジャー・シングス』に素敵なエッセンスを与えた作品が多々あります。


Gaten Matarazzo公式Instagramアカウント(@gatenm123)より

感覚遮断タンク

感覚遮断タンクは、1970年代に実際に行われていた人体実験の器具。イレブンの母はこの実験に参加したというエピソードが登場します。実話として、LSDというドラッグを飲まされてタンクに入れられたり、電気ショックが使われていたというおそろしい噂まで…。

またその開発者は実在した脳科学者ジョン・C・リリー。彼の研究を元にした映画『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』も『ストレンジャー・シングス』に大きな影響を与えています。

マッドマックス

こちらも80年代にヒットした映画シリーズ。シーズン2から登場するセイディ・シンク演じる新キャラクター、カリフォルニアからの転校生の名はマックスです。そして彼女がアーケードでスコアに使用する名前はマッドマックス!


Millie Bobby Brown公式Instagramアカウント(@milliebobbybrown)より セイディ・シンクとイレブン役のミリー・ボビー・ブラウン

ちなみに『ストレンジャー・シングス』と『マッドマックス』の関係はこれだけではありません。ミリー・ボビー・ブラウンはイレブンの役を得てから自分の頭を坊主にすることを知りませんでした。渋ったミリーを坊主にするため、『マッドマックス/怒りのデスロード』に登場するヒロイン・フュリオサを挙げて説得したそうですよ。

ダンジョンズ&ドラゴンズ

シーズン1においてマイクたちがプレイしているボードゲーム。マイクたちはダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)に発想を得て"裏側の世界"を解釈していきます。

D&DはテーブルトップRPG(TRPG)というボードゲームの1種で、その名の通りテーブル上で紙や鉛筆、サイコロを使いプレイするロールプレイングゲームです。

当時ものすごくヒットしたゲームでもあり、かなり凝っていることからオタクっぽい若者に今でも大人気。ドラマ『ビッグバン・セオリー/ギークな僕らの恋愛法則』にもたびたび登場します。

日本語版も売られているので、大人数で集まってプレイすれば盛り上がること間違いなしです。

X-MEN

いまや映画で人気のマーベル・コミックス「X-MEN」も、80年代ではコミックスが主流。ダスティンはイレブンの力を、「X-MENみたい」と表現していますよね。

またシーズン1の第1話でウィル、ルーカス、ダスティンがマイクの家から帰るときに自転車競走で賭けたのは"X-MEN 134巻"でした。X-MENの134巻は超能力を持つジーンがダーク・フェニックスとなり世界に危険が及ぶというお話であり、これはイレブンが現れてホーキンスに危険が訪れるということを暗示しています。

スター・ウォーズ

『スター・ウォーズ』の旧3部作が公開されたのは70年代後半から80年代にかけて。マイクたちもきっと夢中になったに違いありません。『ストレンジャー・シングス』には、そんな『スター・ウォーズ』に例えたセリフがたくさん登場します。

シーズン1でイレブン抜きで"ゲート"に向かうとルーカスが主張したとき、「そんなの無茶だ!ダースベイダー vs R2-D2みたいなもんだよ」と言ったり、ホーキンス国立研究所については「デス・スターに善人が乗ってると思うか?」と言ったり…。『スター・ウォーズ』を観ていたら思わずクスっとしてしまうシーンが何度か登場します。

さらにマイクの家に匿われていたイレブンが暇つぶしに飛ばしていたのは、『スター・ウォーズ』に登場する宇宙船ミレニアム・ファルコン号です。

スティーブン・キング

『スタンド・バイ・ミー』の作者として先ほども紹介したホラー作家スティーブン・キング。彼の影響は他にも多数登場します。

彼の小説が原作である映画『炎の少女チャーリー(1984年)』のチャーリーと、『ストレンジャー・シングス』のイレブンには大きな共通点があるのです。例えば2人とも超能力を持ち、人を殺せるほどの能力を持ち、それを使えば鼻血が出て、研究所で辛い経験をしています。

また2017年にリメイクが公開された『IT/イット"それ"が見えたら終わり』には、『ストレンジャー・シングス』でマイクを演じる、フィン・ウルフハードが登場していますね。実は『IT』へのオマージュとしてシーズン2でボブが"小さい頃に怖かったのはピエロで赤い風船を持ってた"という内容のセリフが登場します。

そしてシーズン2のもう1人の新キャラクター・ビリー。


Dacre Montgomery公式Instagramアカウント(@dacremontgomery)より

ダファー兄弟は、ビリーのサディスティックでサイコパスな要素と、人を再起不能にしてしまいそうな恐ろしさは、スティーブン・キングの作品に登場する"怖い人間"像を参考にしているとコメントしていました。ちなみに当初は、今や超絶良い奴のスティーブが"怖い人間"の枠になる予定だったんだとか。

『ストレンジャー・シングス』シーズン3が待ちきれない!


Millie Bobby Brown公式Instagramアカウント(@milliebobbybrown)より

現在シーズン2までが配信されていますが、シーズン3の製作はすでに決定しています。シーズン3の脚本も完成したようで、ダファー兄弟は「子どもたちの成長が早すぎるからシーズン3は少し先を描いている」とコメントしていました。

新シーズンではマイクたちはハイスクールに通っているのでしょうか。となるとナンシーやスティーブは大学生でホーキンスを離れてしまうのか留まるのか...想像が膨らむ一方です。

さて今回の記事で『ストレンジャー・シングス』にまつわるトリビアをいくつか紹介しましたが、まだまだオマージュは隠されています。オマージュを知った上でもう一度見るとまた違った楽しさがあるので、全部観た人も是非もう一度観てみてくださいね!

参考:Easter eggs you missed in Stranger Things season one9 Tiny Details You Might Have Missed in Stranger Things Season 2Top 10 Stranger Things FactsNetflix Beyond Stranger Things