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"音楽"からみる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の魅力

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー公式Instagramアカウント(@guardiansofthegalaxy)より

2014年公開の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(GotG)』シリーズと言えば、なんといっても映画を彩る70年代・80年代の楽曲の数々。これら懐かしの楽曲が話題を呼び、多くのファンを獲得しました。本シリーズにとって音楽が重要なファクターだということは、既に1作目や2作目を観賞した方は知っているはず!

2017年に公開された2作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー;リミックス(以下:GotG vol.2)』は、2018年第90回アカデミー賞の視覚効果賞にノミネートされ、2018年4月27日公開の『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』での登場も期待されています。

そこで今回は、本シリーズと「音楽」にまつわるトリビアを絡めながら、その魅力を徹底的に掘り下げてみようと思います。

『GotG』シリーズのおさらい

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(以下:GotG)』は、マーベル・コミックを原作としたジェームズ・ガン監督によるディズニー製作のSFアクション映画。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー公式Instagramアカウント(@guardiansofthegalaxy)より

1988年、母親を亡くした9歳の少年ピーター・クイルは、ケンタウリⅣの出身のヨンドゥ(マイケル・ルーカー)率いる宇宙海賊ラヴェジャーズによって地球から拉致されてしまいます。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー公式Instagramアカウント(@guardiansofthegalaxy)より

そしてそれから26年後、青年となったピーター(クリス・プラット)はスター・ロードと名乗り、トレジャー・ハンターへと成長していました。その後、刑務所で出会った仲間たちとともに、宇宙の危機を救う異色のヒーロー集団「ガーディアンズ」を結成。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー公式Instagramアカウント(@guardiansofthegalaxy)より

その凸凹で愛すべきメンバーは「アライグマ」と呼ばれることが大嫌いなアライグマそっくりのミュータント、ロケット(声:ブラッドリー・クーパー)。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー公式Instagramアカウント(@guardiansofthegalaxy)より

「破壊王」の異名を持つドラックス(デヴィッド・バウティスタ)。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー公式Instagramアカウント(@guardiansofthegalaxy)より

マイペースな心優しき樹木型ヒューマノイド、グルート(ヴィン・ディーゼル)。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー公式Instagramアカウント(@guardiansofthegalaxy)より

殺人兵器として育てられたゼン・フーベリ種族の最後の生き残りで「宇宙で最も危険な女」と呼ばれる暗殺者ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)。

1作目では、無限の力を持つオーブの力ですべてを滅亡させようとする悪から宇宙を救い、スターロードの出生の秘密が語られる2作目では、彼の父エゴ(カート・ラッセル)と育ての父ヨンドゥとのドラマを描きます。唯一の地球人であるピーター・クイルを中心に異星人たちの活躍を描いた最高にイケてるスペースオペラ、それが『GotG』です!



ピーターのカセットテープ

1作目で、少年ピーターが母からもらった最後の誕生日プレゼント。中にはウォークマンと音楽好きだったピーターの母が編集したオリジナルのベスト盤のカセットテープが入っていました。タイトルは「AWESOME MIX vol.1」と書かれており、ピーターにとっては命の危険を冒してでも取りに戻る宝物の46分テープ。

1作目に登場する「AWESOME MIX vol.1」は、設定どおり46分に収まるラインナップとなっています。本作の公開でカセット・テープ人気が再燃しました。

ピーターのウォークマン

1979年に日本で発売されたSONY製のカセットウォークマンTPS-L2。スターロードが肌身離さず持ち歩いている古いウォークマン。実は1作目に使用していたウォークマンが壊れてしまい、2作目を製作する際にスタッフは同機種を探したのもの、オークション等で高額となっていて入手を断念。2作目で使用されているあのウォークマンは、スタッフたちが作ったそっくりの偽物なのだとか。

1作目「AWESOME MIX vol.1」のトラックリスト

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー公式Twitterアカウント(@Guardians)より

ピーターのお母さんのセンスがほとばしる1本となった懐メロ満載の"最強ミックス"。この最強Mixは『GotG』のオリジナルサウンドトラックとは別に、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー オーサム・ミックス VOL.1」というタイトルで実際に発売されました。

ところが、なんとこのアルバム、アメリカの「Billboard 200」で1位を記録。書き下ろし曲が一曲も収録されていないアルバムが1位を記録するという史上初の快挙を成し遂げました。

01. Hooked on a Feeling/ブルー・スウェード
02. Go All the Way/ラズベリーズ
03. Spirit in the Sky/ノーマン・グリーンバウム ※予告編で使用
04. Moonage Daydream/デヴィッド・ボウイ
05. Fooled Around and Fell in Love/エルヴィン・ビショップ
06. I'm Not in Love/10cc
07. I Want You Back/ジャクソン5
08. Come and Get Your Love/レッドボーン
09. Cherry Bomb/ザ・ランナウェイズ
10. Escape (The Pina Colada Song)/ルパート・ホルムズ
11. O-o-h Child/ファイヴ・ステアステップス
12. Ain't No Mountain High Enough/マーヴィン・ゲイ & タミー・テレル

2作目「AWESOME MIX vol.2」のトラックリスト

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー公式Instagramアカウント(@guardiansofthegalaxy)より

1作目のラストで存在が明らかになった、別のベスト盤カセットテープ「AWSOME MIX vol.2」。2作目の完成前からファンの間では、どんな選曲になるのかという話題で持ちきりになりました。今回もジェームズ・ガン監督自らが選曲し、70年代のロックやソウルの名曲が揃っています。前作同様「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス オーサム・ミックス VOL.2」のタイトルで発売されました。

ナイトライダー
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またシリーズ初の試みとして、ドラマ『ナイトライダー(1982〜1986年)』の元祖主人公であり、本編でも本人役で出演したデビッド・ハッセルホフがヴォーカルに参加したオリジナル曲が収録されたことでも注目を集めました。作曲を手掛けたのは、ジェームズ・ガン監督が一番好きだという「Dad」を作ったタイラー・ベイツ。この曲はアビーロードスタジオで収録されたのだとか。

1作目の「母の愛」に続き、2作目は「父親たち」というテーマが設定され、それを意識されたラインナップとなっています。

01. Mr. Blue Sky/エレクトリック・ライト・オーケストラ
02. Fox on the Run/スウィート ※映画では未使用
03. Lake Shore Drive/アリオッタ・ヘインズ・ジェレミア
04. The Chain/フリートウッド・マック
05. Bring It on Home to Me/サム・クック
06. Southern Nights/グレン・キャンベル
07. My Sweet Lord/ジョージ・ハリスン
08. Brandy (You're a Fine Girl) /ルッキング・グラス
09. Come a Little Bit Closer/ジェイ&アメリカンズ
10. Wham Bam Shang-A-Lang/シルヴァー
11. Surrender/チープ・トリック
12. Father and Son/キャット・スティーヴンス
13. Flash Light/パーラメント
14. Guardians Inferno/ザ・スニーパーズ feat. デビッド・ハッセルホフ ※オリジナル

メンバーのダンス

本編は2作ともダンスシーンから始まります。『GotG』ではピーターのダンスから、そして『GotG vol.2』ではベビー・グルートのダンスから。音楽が大好きなグルートが、ベビー・グルートになってからは音楽好きということが分かりやすいシーンが満載です。実はこのダンスを踊っているのはジェームズ・ガン監督。監督のダンスをCGで加工してグルートのあの可愛らしいダンスシーンが出来上がりました。


Marvel Philippines YouTubeチャンネルより

ちなみに、グルートがドラックスに見られるとダンスをやめてしまうのは、以前ダンスをしていたとき「ダンスなんて負け犬がすることだ。」とバカにされたトラウマのせいなんだとか。凶暴な割に意外とナイーヴで、とにかくダンスが嫌いなドラックス。「世の中には、ダンスをするやつとしないやつがいる。」と人種を分けてみたり、亡き妻に惚れた理由は「ダンスをしない人物だったからだ」と言ってみたり。

とはいえ、ソフト化の際の特典映像には、少しながらもきちんと踊るドラックスの姿が収録されています。これはドラックス役のデイブ・バティスタに、監督と他のキャストが仕掛けたジョークだったそう。ドラックスのダンスが見られるのは、まだ先になりそうです。

センターステージ
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一方、ダンスはしないと言っていたガモーラでさえ思わず踊りだしてしまう一面が。ガモーラを演じたゾーイ・サルダナはバレエをやっていた経験があり、なんとデビュー作はダンス映画『センターステージ(2001年)』。いつかガモーラのキレッキレのダンスが見られるかもしれません。

グルートの"声"

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー公式Instagramアカウント(@guardiansofthegalaxy)より

「I am Groot」しか話さないグルート。ロケットだけがその言葉を理解し通訳できます。この多種多様な「I am Groot」のために、グルート用には別の脚本が用意されたのだとか。その脚本は「I am Groot」が本来、どんな気持ちで紡ぎだされる台詞だったかが示されているジェームズ・ガン監督のお手製のもの。グルートの声を演じたヴィン・ディーゼルは15言語でこの台詞を録音。1作目だけでも「I am Groot」と口にした回数は1000回を超えたそうです。

ヨンドゥの武器

『GotG vol.2』で人気急上昇だったヨンドゥの武器は「ヤカ」と呼ばれる矢。もともとヨンドゥは原始的な種族のハンターだったため、弓と矢の知識は専門家並。口笛でヤカを自在に操る姿は、まさに無双です。ヤカを操る時に吹く口笛は4オクターブで、高さや長さを駆使して相手を一瞬で仕留めます。ヨンドゥの武器も"音"に関するものでした。

ヨンドゥがゲットした"音楽プレイヤー"

『GotG vol.2』でヨンドゥがピーターのためにガラクタ市で手に入れた音楽プレイヤー。なんと300曲が収録されているとか。収録曲の全容はまだ明らかになっていませんが、当分聴く音楽に困らないことだけはハッキリしています。

こちらは、マイクロソフトが2006年から発売していた音楽プレイヤーZune、30GBでカラーはブラウン。2011年には生産終了となっています。これでピーターは母親からのオリジナルのリミックスと、父親(代わり)のヨンドゥからのプレイリストを手にしたことになります。

幻のデイビッド・ボウイ

1作目の楽曲で「Moonage Daydream」を使用し、デイビッド・ボウイにカメオ出演の依頼をしたところ「興味がある」という回答を得ていた『GotG』チーム。しかし、2016年1月にデイビッド・ボウイが他界し、『GotG vol.2』でのカメオ出演は幻に終わってしまいました。

『GotG vol.2』のポスターの謎

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー公式Twitterアカウント(@Guardiansy)より

壁に寄りかかり、モノクロで撮られた『GotG vol.2』のポスター。これはロックバンド「ラモーンズ」が1977年に発売した3枚目のアルバムとなる「Rocket to Russia」というジャケットのパロディ。こんなところからも『GotG』の音楽に対する思い入れが垣間見られます。

最後に

音にまつわる情報がたくさん散りばめられた本作。どうりでノリノリの作品が出来上がるわけです。また『GotG』シリーズは「イースターエッグ」と呼ばれる"小ネタ"が多いことでも有名。原作コミックやカメオ出演といった、音楽にとどまらないイースターエッグが数多く存在しています。

ガン監督は、まだファンに見つけられていない「大きなイースターエッグ」があると公言しています。これを機にぜひ探してみてくださいね!4月27日(金)に公開予定の『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』では、アベンジャーズの前に姿を現す予定のガーディアンズ。2020年に全米公開予定の3作目にも期待です!